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« 警察への通報規定をなくせば再び医療事故は闇に葬られる
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医療崩壊は業界内部の問題・刑事免責の理由にはならない

 さらにもう一点、必要に応じて警察が医療事故に介入すべきだと考える理由として、行政処分のあり方を指摘したい。

 医療事故を含め、医師らに対する行政処分を決める機関として医道審議会が置かれている。しかし、同審議会が対象とする医療関係者は、これまで事実上、「刑事処分が確定した者」に限られてきた。最近では処分基準をより厳しくしているようだが、医師に対する行政処分はもともと刑事事件を前提にした制度なのである。

 医道審議会に医療界の外から委員として参加していた「さわやか福祉財団」理事長の堀田力氏は、日本経済新聞(二〇〇三年十月二十七日付朝刊)のコラムで、「ええっ! 薬を間違えて患者を殺してしまって、業務停止三カ月! それじゃ患者はうかばれないよ」「研究機関がいろいろやるのは必要であろうが、患者の了解をとり、万全をつくしてやった結果ならともかく、不注意なミスによる死が許されるはずがない」などと記している。身内である医療関係者以外にとっては、これが通常の感覚というものである。

 医療機関の自浄努力はいまだ十分発揮されているとは言えず、行政処分は時間がかかるうえに、軽い。国による被害者救済の制度は未整備のまま。訴訟に打って出ることも、通常は証拠の収集など一般人にはハードルが高いものである。そうであれば、患者にとっての頼みの綱は刑事告訴しかないではないか。他に術を持たない遺族らは、追いつめられ、警察に駆け込んでいることを忘れてはならない。

 医師が、人命を預かり、病気を治す重要な職業であることは論を待たない。医療制度のあり方は、国の最重要インフラの一つである。ところが、医療行政の失敗などのツケを払わされる形で医療の現場、特に救急救命や産科の一線は過酷な労働を強いられ、疲弊しきっている。勤務医の多くが、労働実態に見合った報酬を得ていないのも事実である。

 だが、繰り返しになるが、そうした医療関係者が置かれている厳しい状況と、医療事故に真摯に向き合い、遺族や社会に対して真相を明らかにし謝罪することとはまったく別の話である。

 医療崩壊の原因の一つは、多くの医師が救急救命や産科、外科などを敬遠し、リスクの少ない診療科や開業医に流れている点にある。これは、あえて突き放して言えば、医療界内部の問題である。業界が自分たちの内部を律することができなくなり、社会的要請に応えられなくなった現象を「崩壊」と呼び、それを人質にとって刑事免責を持ち出している、と言うと言い過ぎであろうか。

 医師は特権意識を捨て、サービス業として「顧客第一」の姿勢を貫かなければならない。そうでなければどんなに医師の数を増やし、設備を充実させ、患者に「様」を付けて呼ぼうとも、真に国民の信頼を得られる存在にはなりえないだろう。

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コメント (15)

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

論理が曲がっていませんか?「医療崩壊の原因の一つは、多くの医師が救急救命や産科、外科などを敬遠し、リスクの少ない診療科や開業医に流れている点にある。」確かにそういう面はあります。では、リスクとは何でしょう。恐らくリスクとは民事訴訟の被告になったり、刑事捜査の対象になったりすることでしょう。では、なぜ救急や産科がリスクが高いのでしょうか。同じように医師免許を持って医療行為をしていて、皮膚科や放射線科よりなぜリスクが高くなるのでしょうか。民事訴訟の被告となること、刑事捜査の対象となること、そういったリスクが高くなるのは医療界内部の問題なのですか?救急や産科の医師が民事裁判の被告になりやすかったり、刑事捜査の対象になりやすいのは医師の方に問題があると?救急や産科は人の生死に接することが多いため、結果的にそうなっているのではないのですか?それとも、救急や産科の医師の能力が皮膚科や放射線科の医師の能力より劣っているためとでも言いたいのでしょうか。民事訴訟を起こしたり、刑事捜査をするのは医療界の外の人です。医療界の外の人たちの、救急や産科の様に直接生命を扱う診療科に対する理解がもっと深まれば民事訴訟や刑事捜査も減って、診療科によってリスクが大きく異なるというような現状は改善していくのではないでしょうか。従って「これは、あえて突き放して言えば医療界内部の問題である。」と断定してしまうのは正しくないばかりか、医療界の外の人を間違った方向に誘導する危険さえあります。

「サービス業として「顧客第一」の姿勢を貫かなければならない」とはどういう意味なのでしょうか?「業界が内部を律するとはどういう意味なのでしょうか?」刑事責任を追及される場面に遭遇する可能性の高い科(つまり救急・産科・外科などの観血的処置を高頻度で行う科)を避ける一個人としての医学部生がそのリスクを回避しようという意思でそれらの科を希望しないという現実があるのではないでしょうか?業界がこれを律するとはどういう方策があるのか良くわかりません。

マスコミへの苦情を言う時の連絡先一覧が
まとめてあります。使いましょう。

http://d.hatena.ne.jp/masukomihaaho/

いつも思考が論理的じゃなく、感情的ですね。

この方の論理?では、
行政処分が不十分だったから刑事処分が必要だった。今後も行政処分が期待できないから、これからも刑事処分をどんどんやれ、ということでしょ。

そうじゃなくて、
必要な行政処分をちゃんとできるように医療事故調査委員会を作るのではないのですか?

医療事故があれば司法取引をいれて、罪に問わない代わりに洗いざらい喋らせる、事実を徹底的に解明する。
事故のパターンが見えてきたら、今後はどこまで罪に問うか、決めればよい。

従来にないパターンが出てきたら、また司法取引・・・繰り返し。

航空機事故でも鉄道事故でも同じ。
日本には司法取引が無い、だから真の原因がわからないまま風化していく。

わかった?

>真に国民の信頼を得られる存在にはなりえないだろう。

そもそも医師が国民の信頼を得られない場合誰が得をして誰が損するんでしょう?
別に医師は信頼を得られると評価されるという程度の治療だけすればいいことであり、信頼を得られないからといって困りはしません。一方患者がこの医師は信頼できん!といってドクターショッピングを繰り返すのは患者だけが面倒というだけの事に思われますが

信頼を得る姿勢を、というのはおかしくはないですが、何かずれてますよ

医療は、人体と言う不確実なものを相手にしている仕事である。
どんなに注意深く、完璧と思われる治療をしても、不幸にして結果が悪くなることもある。

にもかかわらず、訴訟を起こされ、結果責任だけを負わされるのはあまりにもひどいことである。

医師の資格のある人が、医療の崩壊が内部の問題だと声を上げればインパクトもあり、医療ジャーナリストとして評価されたり、目立つから言っているのではないかとさえ思ってしまう。

本当に現場を知っている人の発言か疑いますね。

富家 孝様

 医師にもいろいろな考えがあって良いと思いますが、私にはとても納得できる内容ではありません。
 富家氏の御略歴を拝見しますと御卒業3年で開業されて、若くして成功し、今日幅広く活躍されているドクターの御意見としては、そんなものかと思うだけです。
 最近の現場を御存知でしょうか?少なくとも修羅場のような現場を体験されたとは思えません。
何をもって医療崩壊と呼ぶのでしょうか?地方のみならず、都会でさえ科によっては医師不足状態で、都会の救急医療体制も穴だらけで、ましてや地方では惨憺たる現状を医療崩壊と呼ぶのでしょうか?特に外科系の医師不足は深刻です。この医師不足状態はどこから始まったかというと、研修医制度が始まってからというのが、医師の間では共通した感覚だと思います。加えて医療訴訟も増加傾向にあり、それに拍車をかけるように福島県では癒着胎盤症例の母体死亡で産科医が逮捕されるという衝撃的事件がありました。その後、医学生の産科志望がどんどん減って行きました。
投薬違いでの患者死亡は言語道断ですが、治療法も確立していない状況で、検察に狙われたら逃げも隠れもしない産科医師が逮捕される状況を知れば、医学生が尻込みするのは当然だと思います。医師の偏在を助長した研修医制度も医師逮捕も医師サイドの問題ではありません。
 私が接している医学生や研修医は、ほとんどが自分の適性や将来を考えて科を選択しております。勿論9時から5時までの勤務で、呼び出しのない科を選ぶ学生は昔から居ますし、だからと言って彼らを責めるわけには行きません。
 富家さんの御意見は、失礼ながら「味噌も糞も一緒にした現場を知らない評論家」の意見です。
医師免許を持っているだけのことで、医療者サイドの識者からの意見のように語るのはおやめ下さい。

 富家氏のお説の乱暴さに憤りを覚え、憚りながら初めて投稿させて頂きます。
私は一応医療リスクを管理する立場の末席に名を連ねる者です。

 乱暴だと申し上げるのは、医療過誤にきちんと向き合っておられないからです。一度も分析的な見方をされず、狭視界的かつ一方的な見方に終始されておられるからです。これは飛行機が墜落したらパイロットの操縦ミス・交通事故は運転手のスピードの出し過ぎ、と決めつけて他の事に対しては思考が停止している状態に似ています。勤務医A氏が言われるように「味噌も糞も一緒」にされています。

 医療過誤を分析する際、『医療水準』を切り口にして分類する事が通常行われています。
一例を挙げますと、

① 医療水準以前の問題(ヒューマンエラーなど)
② 通常の医療水準が確保出来ていなかったことによる問題
③ 医療水準は確保できていたのに、状況がそれを上回っていた場合(不可抗力)
の3分類です。

①は、患者取り違え、薬の間違い、手術の左右間違い、機械操作間違い、などが該当します。
②は、医師免許取って2年目の美容外科医が執刀して(予想し得る)急変に遭遇したが対処出来ず、呼ばれた上級医の対処が全く不十分だったケースが該当します。
③は、万に一つの稀かつ危険で急を要する症例で、事前診断は非常に困難な症例に臨んだ一人医長が、懸命の努力にも関わらず、結果として(不当に)逮捕されたケースが該当します。

 それぞれのどれに該当するのかで考え方は全く違ってきます。通常争点になるのは、果たして②なのか③だったのか、です。それぞれ現場でどのように対策をしているか、どのように医療全体へ影響を及ぼしているかを書きますと長くなり過ぎるので書きません。

 確かに医療を治外法権にするのが良いこととは思いません。しかし「医療者は全知全能(=全ての医療分野で一流の知識と技術の所有者)でなければらない。患者が助からなければすべて医療者の未熟か過誤」とお考えですか?医療者を断じて弱きを救う遠山の金さんに己を擬して悦んでいませんか?

 富家氏には感情の赴くままに一方的な論旨を展開されるのではなく、客観的で論理的に筆を執っていただきたく存じます。でなければ、あなた自身が「信頼を得られる存在にはなりえないだろう」と存じます。

<富家様>
もう、いい加減にしたらどうですか?
あなたの論は、まったく建設的ではありません。
私は仕事で医療機関とおつきあいがあります。皆、ボロボロの体で点滴を打ちながら働いています。
30時間以上の連続勤務で、医療事故がおきない方が不思議です。研修医しかいないERで適切な治療ができないのも不思議ではありません。
要は、事故は起きるものとの前提で、包み隠さずオープンに事故原因の調査と防止策が図られるべきで、医師を刑事責任に問う⇒医療事故を隠蔽する⇒隠蔽がばれる
という悪循環を断ち
事故は起こる⇒事故報告を迅速に行う⇒事故原因を調査する⇒再発防止策を講じる。
の流れにする事が大切なのではありませんか?

富家 孝様

 先に直近のエントリーを読んでコメントしましたが、富家さんの過去のエントリーを読んで目を疑いました。
 それで今一度コメントします。
 富家さんとは一体どういう方なのか私にはわかりません。医師という立場で発言されているようですが、御専門は何なのでしょうか?本当に臨床医なのですか?
私には、とても修羅場をくぐってきた臨床医の発言には思えません。
 若者のために一言言わせてもらいます。若手医師の未来を暗くしないでください。彼らは厳しい環境の中で努力していますよ。
私は医学部を卒業して約30年ですが、今の医学生、研修医の勉強しなければならないボリュームは、私や富家さんの時代とは比較にならないほど膨大ですよ。彼らは確かに進化しているようで、ほとんどの者がそれを身につけます。近年の良い傾向は、基礎実験の医学博士よりも臨床系の専門医資格の方が重要視されるようになりました。彼らは研究者として残る一部を除いては、臨床経験をつんで、サブスペシャリティーの専門医資格もとろうと必死です。ただ実際、彼らの置かれている環境は悪過ぎます。全部とは言いませんが、過労死寸前の若者が少なくありません。医療崩壊の犠牲者は患者さんだけではなく、彼ら若手医師も犠牲者です。彼らを刑事事件の被疑者にする前に、これまでの国の無策、愚策を訴えたらどうですか?
 富家さんは、ブログを拝見すると、医学部を卒業後大学院生として研究もされがら3年で開業されるという超人的な能力を持った方のようです。その後の御活躍振りを拝見しても、評論家としては名をなされているのかもしれません。ただ救急医療システムの不備や、少しでも楽な科に流れる若者を批判できるような、医師として語れるようなキャリアの片鱗はどこを探しても見えません。
何故に、あのように自信をもって高所から発言ができるのか信じられません。
 大変失礼ですが、富家さんのエントリー記事は、マスコミ受けを狙ったパフォーマンス的な発言にしか思えません。もし医師として語るなら、自分の臨床のキャリアを語って下さい。そうでなければ、評論は結構ですが、医師は名乗って欲しくありません。「医療崩壊は内部の問題」という富家さんはもはや内部のヒトではありません。
 これが富家さんと同世代の臨床医からのコメントです。

富家氏について、勤務医Aさんはマスコミ受けを狙ったパフォーマンスと書いておられますが、過去のエントリーに付いたコメントも読まれましたか?
『刑事免責で医療事故は増える』への博多湾さんのコメント、投稿者: 博多湾 | 2009年12月 6日 01:02 を読んで、私たちが何を言っても富家氏が考えを変えることはないのではと思いました。他の読者のためにコメントすることは無駄ではないですけど。

 例えは良くないかもしれませんが、検察に勤めていてやくざ以下の行動原理しかないものがいる(というより検察という名の暴力団がある)ように、医師と名乗っていてもいくらでも多様な幅があるのです。それをわかっていればあえて表題で「医者だからこそ」、などと名乗ることくらいは恥じていただきたいものだと思います。自らの経験と知識の範囲以外には臨床家は口数は少ないものです。
 しかし、一般的な意味で冷静に何を良くしていかなければいけないかという議論は進んでおり、ここでも優れた総説はしばしば登場してきます。良き医療を継続的に発展させていかなければなりません。
 そして良き政治と倫理がもたらす医療が
下劣な法理の形式論に負けないことを期待したい。

以前中央公論?にもこの論文は載っていたと思うのですが、正直この論文を読んでも富家さんの意図とは別に「刑事免責を望んでる医師」を説得できないだろうと思いました。
その理由は今日の記事の「タイトル」に全て現れていると思います。
なぜなら「刑事免責を望んでる人達」は「医療業務に時と場合によって刑事介入されること」を問題視し、それには悪い影響があると考えたからいってるのであって「医療が崩壊していること」とは何の関係もありません。それはつまり、仮に医療が万全であったとしても刑事免責を望むと言うことです。だから刑事免責を望む人に「繰り返しになるが、そうした医療関係者が置かれている厳しい状況と、医療事故に真摯に向き合い、遺族や社会に対して真相を明らかにし謝罪することとはまったく別の話である」といっても「富家何言ってるんだ、それは当たり前じゃないか」と言うでしょう。
繰り返しますがいわゆる「医療崩壊」と「刑事免責論」は何の関係性もありません。よって「医療崩壊を人質に刑事免責を主張するな」と言われても何意味不明な事言ってるんだこいつと思われるでしょう。
富家さんは他人の意見を批判する前にまずは自分の意見が他者に理解されるものであるか考えるべきではないでしょうか?

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Profile

富家 孝(ふけ・たかし)

-----<経歴>-----

医師・医療ジャーナリスト。
1947年大阪市に生まれる。
1972年慈恵医大卒。
開業・病院経営・日本女子体育大学助教授を経て、現在、オフィス51取締役。
新日本プロレス・ドクター。
慈恵医大相撲部総監督。

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