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2007年3月 4日

田中康夫「書類送付」の虚構

 〈長野県の田中康夫前知事が元後援会幹部による県への働きかけを記した公文書の破棄を止めなかったとして告発された問題で、長野県警が田中前知事を公文書毀棄(きき)ほう助の疑いで事情聴取していたことが26日、わかった。田中前知事は容疑を否認したとみられる。県警は聴取結果も踏まえ、告発手続きに従って近く長野地検に書類送付する。県警の聴取は今月19日から2日間、東京都内に捜査員を派遣して任意で行われた。〉

 こう報じたのは「読売」など各紙である。テレビの全国ニュースも同じように報じた。長野県議会の調査特別委員会(百条委)が2005年7月に設置され、その調査結果を受け、委員の県議が県警に告発したのは一年前のこと。ところがこの報道のあとに「異変」が起きた。岡部英則・元県経営戦略局参事が、前知事から「働き掛け」記録文書を破棄するよう指示されたとした証言を「フィクション(作り話)だった」と語ったからだ。

 これで百条委や県警の捜査そのものも根底から覆ったことになる。おかしいのは岡部氏から事情聴取をした県警が、「作り話」だと知ったにも関わらず、長野地検に書類送付したことだ。さらにいえば全国版で報じた新聞各紙が、長野県版では報じているものの、ほとんど無視していることである。もちろんテレビも同じこと。読者、視聴者は田中康夫氏の顔写真入りの報道によって「書類送検された」(実際には「書類送付」)というイメージを植え付けられた。意図的な誘導報道でないというのなら、核心的証言が「フィクションだった」という呆れた事実を知らせるべきだ。

Profile

有田芳生(ありた・よしふ)

-----<経歴>-----

1952年京都生まれ。
フリーランスのジャーナリスト。

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「有田芳生の今夜もほろ酔い」



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