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2011年8月11日

自然に学ぶ「森里海連環学」のすすめ

山陰中央新報連載 自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめNo.27

再び「清流日本一」に! ―"森里海"の連環を取り戻そう―

2007年、08年の発表では連続して「日本一」になっていた高津川が今年、再び「清流日本一」に返り咲いた。

「日本一」になれなかった09年に、流域の島根県吉賀町の婦人会は、川の漁協、森林組合、行政と協力してEM(有用微生物群)団子を作り、川に投入するという活動を始めた。

EM使用は、以前より旧柿木村では有機農業から始まってきており、婦人たちは、風呂や台所からもEM活性液を投入していた。津和野町でも、婦人部が続けてきていた。

「再び、清流日本一を」は、この数年、高津川を愛する人々の共通の想(おも)いであった。「EM」については、理解ができない方もいらっしゃるようだが、「納豆」や「味噌(みそ)」を作るのと同様の自然界の力を結集させたものであり、マイナス作用があるとは思えないが、使い続けなければ、水質に変化を起こすほどの効果は出ないというものだ。

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2010年7月17日

自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめ

山陰中央新報連載 自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめ No.13

近自然工法を使おう―川を愛するならば

高津川の大支流、吉賀町柿木村から流入する福川川にある坂本頭水工のほとりに立つこのお二人は、東海大学の先輩と後輩。右の人物は、高津川漁協のアユセンター長の田中誠二さん、左は高知市からおいでいただいた「西日本科学技術研究所」の福留脩文所長。二人は、この頭首工の魚道を改修する相談をしている。

福留さんのことを、私やC.W.ニコルは「川のお医者様」と呼んでいる。「近自然工法」という手法で、コンクリート化してしまった自然を元にもどす仕事をされているからだ。

「近自然工法」はスイスに生まれ、それを福留さんが日本に持ち帰り、1991年からは建設省(現・国土交通省)河川局が、「多自然型川づくり」として採用してきた。

高津川は、二度も国土交通省の「水質日本一」を取ったのだが、私から見ると水質がイマイチ。本流にダムを造らせなかった代わりに、各所で電力や農業用水のために水が取られ過ぎているからだ。

また、この坂本頭首工や電力のための堰堤に造られてきたほとんどの魚道が、魚が溯(のぼ)れる機能を有していない。造った当時の技術者たちに自然への知識がなかったからだろう。

東海大学海洋学部に学んだ田中さんは、「アユがどこまでも溯ってくれると、水質は良くなります」とおっしゃる。そうなのだ。アユは石についたコケを食べて生きる。だから夏になると川はピカピカになる。古いコケもアユが食べてくれるからだ。

田中さんら漁協が福留先生に魚道を直してもらうには、地域に住む人達が「川を直したい」という総意を強く示す必要がある。

2003年に成立している「自然再生推進法」は、国、県、地元の負担が等分にあることが求められているからだ。ふるさとの川を再生するために、自分が払った税金を使う。こんな当り前のことのために、首長や行政が動くように働きかけることが、川やアユへの自分の愛情表現だと、真剣に考えてみませんか。

川には、住む人の心が映るといいます。高津川が大好きになって通い始めた私の目には、流域の男たちが少し"引っ込み思案"に見えます。愛するモノを本当に守ろうとする時には、普段は取らなかった行動もとる必要があるのでは。

あなたは、アユを愛していますか?川は?
皆さんの少しずつの行動が、川をよみがえらせますよ。

2010年2月27日

mont-bell広報誌「OUTWARD」連載 45号・46号

森里海連環学のススメ Vol.1

「サケが、森をつくっていた」

 森の中に、何かが腐ったような異臭がただよっている。歩みを進めると、それが私の探していたものだとわかった。サケだ。ここはカナダのブリティッシュ・コロンビア州、クラッセ川。2002年、9月26日のことである。
 このサケは、クマが川で獲り、森へ運んだ。他のクマと争わないで食べるためだ。
 カナダでは、さまざまなサケの産卵シーズンの40日間に、クマが一年間の食糧の四分の三をサケで得(と)る。40日間でおよそ700匹のサケを、一頭のクマが食べるという。だから一本の川をテリトリーとしているたくさんのクマは、この時いっせいに川に出撃する。しかし隣のクマと争っていたのでは一日18匹のサケは獲れないし、食べられない。冬眠前の貴重な食糧獲得行動である。

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2008年1月10日

有機元年!

「有機元年」と、今年を呼ぼう。と、始まるカラーグラビアを、週刊現代1月12日発売号につくりました。2007年は12月29日まで、このグラビア9ページ作成のためにおよそ2カ月の取材を、高知、千葉、山形へ重ねていました。

2008年は、1月7日に、そのグラビアページの最終校正で仕事始めをしました。

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2006年9月20日

”アファンの森”訪問

 9月11日に、農文協より11月に発刊予定の「“林業再生”最後の挑戦」(仮題)を、高知県仁淀川町の「川の家」(私の高知の家)にて脱稿しました。
 
 それで、晴れ晴れとした気分で、敬愛する兄、C.W.ニコルさんの「アファンの森」を再訪することができました。

 「アファンの森」は長野県信濃町の黒姫山のふもとにニコルさんが20年前から買い続けてきた6万坪の二次林(人工林ではない自然林で、人間が手を加えた森を「二次林」や「三次林」と呼びます)。この森をニコルさんが、昔のこのあたりにあった日本の自然林に復元しようとされています。2002年には「C.W.ニコル“アファンの森”財団」もつくられ、自らが亡くなった後も、この森が心ある日本人の手によって保存されるようにされたのです。

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2006年5月 8日

“森里海連環学”のために

 4月27日は、高知県の横浪半島に、養老孟司氏と京都の村田製作所(年商5千億円近い世界的な電子部品メーカー)の社長、村田泰隆氏をお招きして、“森里海連環学”のために対談をしていただきました。

 “森里海連環学”とは、2003年に京都大学で誕生したもので、20世紀には、森の研究者は森だけを、川は川だけ、海は海だけを研究してきたのですが、そうして自分たちが穴倉にこもっている間に、人間の経済行為によって森と川と海が寸断され、森、川、海という、連なっていてこそ生きている生命体を瀕死の状態にしてしまったのではないか、という反省から生まれた学問でした。

 私はこれに2004年秋からかかわり、高知県の横浪半島という、半島すべてが照葉樹林帯という貴重な森に、“森里海連環学”のための実験所を誘致したのです。

 横浪半島には、一昨年まで高知県の「こどもの森」とそのセミナーハウスがあったのですが、財政難でそれが閉鎖されようとしていました。これを橋本大二郎知事にお願いして、施設の保存と京都大学・高知大学への貸与を決めていただいたのです。

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Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


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