Calendar

2011年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

メイン

公共事業 アーカイブ

2010年6月22日

日本林業について

「ヨーロッパ林業視察」を「パートⅠ」だけで中断してしまいました。意見を寄せていただいた方と、今の「森林・林業再生プラン」の間に、あまりにも差があることに愕然としたからでした。

私には脳内に「脳動静脈奇形」という難病があり、いつも「残された時間を大切にしよう」という想いで生きています。またそのため、「失語症」に陥る可能性が高く、自分がコンピューターに頼っておかないためと、いつ死んでも幾人かの友人たちに私の仕事を受け継いでもらえるように、このブログを清文することや、政治家たちに文章を送ったりする時には、友人たちにコンピューター仕事を依頼しています。

そんな私からすれば、私のこのブログを読んで森を心配する方々が、「森林・林業再生プランとは、どういうものでしょう」とおっしゃるのは腑に落ちないのです。林野庁のHPを見れば、昨年の12月30日から載っているはずだから。

私が4度目のドイツ訪問に5月に出掛けたのは、私が事務局を務める「日本に健全な森をつくり直す委員会」(委員長養老孟司、副委員長C.W.ニコル)が昨年9月18日に菅直人副総理(当時)にお渡しした提言書「石油に頼らず、森林(もり)に生かされる日本になるために」がきっかけとなって12月30日にできた「森林・林業再生プラン」(そのいきさつは「石油に頼らない」(北海道新聞社より4月に出版している)に書いています)が、ドイツなどからフォレスターを呼んで、全国5ケ所で今年からやっている仕事が、少し心配なためでした。

そんなことを連載しようと考えて始めた「ヨーロッパ林業視察」報告だったのですが、ブログを読んでくださっている皆さんに理解してもらうには相当書かなければ無理とわかり、断念したというわけです。

続きを読む "日本林業について" »

2010年5月21日

ヨーロッパ林業視察  パートⅠ

5月7日から15日に、ドイツからスイスへと足をのばし、林業を見学してきました。これまでにも書いたように新政府下では林野庁が「森林・林業再生プラン」をつくり、そのメニューの中に、日本で5カ所、1カ所2億円をかけて、ドイツとオーストリアのフォレスター(森林官)を招いて指導を受けるというメニューが含まれています。

3月15日からおよそ1カ月間の日本訪問を終えたフォレスターたちを、ドイツに訪ねるのが、今回の旅の目的でした。

続きを読む "ヨーロッパ林業視察  パートⅠ" »

2010年5月 5日

ドイツへ行ってきます

新政権がつくった「森林・林業再生プラン」は、全国で8千万立方メートル使われている木材のうち、1千8百万立方メートルしか自国で生産できていないわが国が、10年後までには5千万立方メートルを生産できるようにしよう。戦後に植えてきた人工林が使い頃に育っているので、使えるように、小さな所有形態を取りまとめて、作業道を整備しやすくしたりしよう、というもの。

そのプランの中に、全国5ヵ所にドイツのフォレスターを招き、大型林業機械などで効率よく仕事ができるモデルをつくろうというものもあります。

続きを読む "ドイツへ行ってきます" »

2010年3月 7日

二つの役所の委員会、始動する

林野庁では、"森林・林業再生プラン"が2009年12月につくられ、それに沿った五つの分野の委員会が発足しました。「森林・林業基本政策検討委員会」、「路網・作業システム検討委員会」、「森林組合改革・林業事業体育成検討委員会」、「人材育成検討委員会」、「国産材の加工・流通・利用検討委員会」です。

私は、一番最初2月1日に発足した、「路網・作業システム」の委員になりました。

路網の委員会が最初につくられ、すでに2回の会合を開いているのは、その仕事が、新政権の"林業再生"の中で最も急がれているからです。

続きを読む "二つの役所の委員会、始動する" »

2010年2月 6日

長良川河口堰も撤去!

心待ちにしていた"荒瀬ダム撤去"が、ようやく各紙に載った2月3日。私に愛知県岡崎市のKさんからメールが入りました。10月18日に桑名で私たちが開催した、長良川河口堰撤去を求めるための「長良川救済DAY」以降の私のHP「あまご便り」や、高野孟さんとのブログ集「The Journal」に、長良川河口堰についての私のコメントが載らないのはなぜか、という質問です。

「ダム撤去」は、私が政治のあやまりから運用されてしまった長良川河口堰のゲートを上げ、長良川を救済するために、アメリカのダムをつくってきた、「TVA」「開墾局」「陸軍工兵隊」に1995年に教えを受けて、日本に持ち帰ったキーワードです。

続きを読む "長良川河口堰も撤去!" »

2009年9月15日

祝・政権交代!"八ツ場ダム中止"と"ダム撤去"

国交省が、予定している入札をペンディングにするということが起こりました。政党がマニフェストに書き込み、政権が交代すれば何ができるかを国民は見たと思います。

今回民主党がマニフェストに書き込んでいた「川辺川ダムと八ツ場ダムの中止」は、大きな予算を減額できるという見た目の効果はありますが、実際にトータルすると、あまり減額ではないかもしれません。従って、経済効果だけでダム中止を見ては本質を見失います。

鳩山さんの「ダム中止」は、彼が2000年に私に依頼して「公共事業を国民の手に取り戻す委員会」を代表の特別諮問機関として発足させた時からの路線で、2000年11月1日に、この委員会が作った報告書「緑のダム構想」を持参して川辺川現地入りをされた時に始まっています。

民主党はその委員会と共に、コンクリートのダムに依らず、「緑(森林)のダム」をつくって治水しようと決めたわけです。

続きを読む "祝・政権交代!"八ツ場ダム中止"と"ダム撤去"" »

2009年7月29日

野党と民主党へ提案しました

7月22日、解散の翌朝、民主党の菅直人代表代行、山田正彦衆議院議員に面会し一時間、林業政策について意見交換をしてきました。同行者は、富士通総研主任研究員の梶山恵司さん、法政大学教授の五十嵐敬喜さん。

「7月14日に林野庁長官になった島田泰助氏が、今の林野庁の"林業改革"の中心人物」であり、政権奪取後に「林野庁との話し合い」を持つことなどを提案し、日本林業の現状を梶山さんがレクチュアしました。

続きを読む "野党と民主党へ提案しました" »

2009年6月 4日

柿木村の斎藤君

島根県鹿足軍吉賀町柿木村。六日市町と合併して吉賀町となっても柿木村は、吉賀町柿木村として名を残しています。

この柿木村は30年前から有機農業に村を挙げて取り組んできたことで知られています。

この村の産業課に勤める31歳、斉藤慎吾君は、初めて会議で同席した時に、「僕が通う年寄りしかいない村の奥の人々を幸せにするには、山しかないところだから、林業しかないと思うのです。どうしたらその林業で儲かるようにできるか、考えとんのですが、なかなか知恵が出ません」と言っていました。

続きを読む "柿木村の斎藤君" »

2009年4月28日

森をつくり直す?

4月13日に、第三回「日本に健全な森をつくり直す委員会」(俗称「養老委員会」)を東京で開催しました。この委員会は昨年7月に、養老孟司氏を委員長に、私が事務局を担当し、12人で立ち上げたものです。

森を自分でつくっている作家、C.W.ニコルさんと立松和平さん、そしてここ数年の“林業改革”の二本柱ともいえる、日吉町森林組合参事の湯浅勲さん(NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演)や富士通総研主任研究員の梶山恵司さんも参加しています。

「森をつくり直す」とは、何故か?日本は第二次大戦後の復興時に大量の木を使い、その後に経済効率だけを考えて全国にスギ・ヒノキ・カラマツを大造林しました。これが使い頃なのに材価が低くて使えないという状態が長くあったのですが、私の近年の著作「“林業再生”最後の挑戦」(農文協)や「21世紀を森林(もり)の時代に」(北海道新聞社、養老孟司らと共著)にも書きましたように、①森林所有者を取りまとめる②高密度に作業道を入れる③仕事を効率よくする、などの改革が近年急ピッチで進んだことにより、使えるようになってきたのです。

続きを読む "森をつくり直す?" »

2009年4月 1日

ダムが止まり、道路が止まる。4.25「無駄な公共事業見直しを実現する全国大会」へ。

3月31日の夕刊から4月1日の朝刊各紙では、国土交通省が全国で18路線の国道工事を凍結したことと、同じ国交省の河川局事業では、淀川水系大戸(だいど)川ダム計画が凍結されたことが発表されました。

「“動き出したら止まらない”という従来の道路建設の常識を覆した」と朝日は書きます。一方、同じ新聞紙上では、アメリカでオバマがクライスラーに、「30日以内にフィアットと提携合意しなければ追加支援には応じない」と最後通告をつきつけています。

日本はまだ、甘すぎるのではないでしょうか。これも同じ日の紙面では、国交省が各地の出先機関庁舎44カ所の新築・改築費用を、自治体には相談なく直轄事業負担金の中に含ませていたことも明らかになっています。

続きを読む "ダムが止まり、道路が止まる。4.25「無駄な公共事業見直しを実現する全国大会」へ。" »

2009年3月 7日

ダムと小沢と加藤紘一

民主党の代表として選挙の顔となってきた小沢一郎さんの、西松建設からの献金が「違法」であったかどうかが問われています。一方、3月6日の朝日新聞は「自民党側の立件は無理。西松から献金を受けた認識があるという傍証がない限り難しい」との政府高官の声を載せ、問題となっています。

国民から500円ずつの政治資金に替えたはずなのに、政治家への献金のあり方が「ちっとも変わらない、違法でなければいい」ということが問題なのです。金をくれる人は「口きき」を期待しており、それが実行されなければ、毎年金をくれ続けることはないでしょうから。

続きを読む "ダムと小沢と加藤紘一" »

2009年1月22日

シンポジウム 『公共事業は誰のものか!』のお知らせ

熊本県では蒲島知事が川辺川ダム建設反対を表明、淀川流域では4知事が大戸川ダムにNOを突きつけました。
今まさに「地方分権」が川から進められようとしています。

1988年に始まった長良川河口堰建設反対運動をきっかけに、1997年には“河川法”の改正が行われ、「住民対話」「環境重視」が導入されました。

そして、河川整備計画原案策定に際し、意見を聞くための「流域委員会」が全国の水系ごとに諮問されました。その中でも一番最初につくられ、第三者組織によって選出された委員により自主的に運営された「淀川水系流域委員会」(宮本博司前委員長)は「ダム建設は不適切」とする意見書をまとめました。

ところが国土交通省はこの結論を無視し、強引に3ダム建設と1ダム再開発を進めようとしています。
このことは国家公務員が、国が定めた“新河川法”を自ら軽視することであり、滋賀、京都、大阪の知事が「おかしい」と「河川の自治」を求めるに至っています。

一方、木曽川水系においては、水余りで無駄な公共事業と批判される中で建設された長良川河口堰とその後さらに造られた徳山ダムとの水を結んで使うために今、「木曽川水系連絡導水路計画」(総予算890億円)により徳山ダムの水を長良川に流す事業が強行されようとしています。

そしてその負担を押し付けられることになる愛知県民や
名古屋市民のほとんどがまだその現実を知らないことが、大きな問題と思えます。

そこで、「長良川河口堰建設に反対する会」と「公共事業チェックを求めるNGOの会」ではこの2つの問題を例に、問題点を知っていただくとともに「公共事業はだれのものか」をテーマに公共事業のあり方を考えていただく機会を作りたいとシンポジウムを企画いたしました。

税金の使い方をチェックするこのシンポジウムにぜひ参加いただきますよう、よろしくお願いいたします。

続きを読む "シンポジウム 『公共事業は誰のものか!』のお知らせ" »

2008年10月24日

日経新聞いわく。二つの“川についてのシンポ”案内も併せて。

「日経新聞いわく。」

9月12日の日経新聞の社説は、「川辺川ダムは中止すべき」だとして、前日の熊本県蒲島郁夫知事の国土交通省に対する「川辺川ダム計画の白紙撤回を求める」行動に賛同の意を表しています。

ダム事業などの推進に対して、中央官庁は地元知事の意見を尊重しなければならず、国道交通省の「川辺川ダム計画」は、同事業利水計画に対する住民訴訟に農水省が敗訴して“利水”目的から撤退したことに続いて、建設不可能の状況へ追い込まれたと言えます。

日経新聞の社説は「一度計画されると止まらない大型公共事業の象徴として注目を集めている熊本県の川辺川ダム建設事業が新たな局面を迎えた」に始まり、「いっそのこと、時間が経過した公共事業は一度白紙に戻すことを政府は法制化したらどうか」と終わっています。

続きを読む "日経新聞いわく。二つの“川についてのシンポ”案内も併せて。" »

2008年9月16日

川辺川ダムは、止まるか

球磨川の鮎釣り名人・塚本昭司さんから「川辺川を助けに来てください」と電話があって私が出かけたのは、1990年の秋のことでした。

1988年から私たちが長良川で繰り広げた河口堰反対が国会で、三木派の北川石松環境庁長官の「反対」、綿貫民輔建設大臣の「推進」で真っ二つに分かれていた頃です。

その鮎名人・塚本さんからこの9月12日の朝に電話がありました。「昨日は、地元は大喜びで、私も寝れんかった。一番最初に川辺川へ来てくれ、菅さんや鳩山さんを民主党代表として川辺川へ連れてきてくれた天野さんには一番に明日電話しようと、昨日言うておったです。クシャミば、せんかったとですか」。

9月11日は、私の55回目の誕生日だったので、熊本の蒲島郁夫知事の国交省へ“白紙撤回”を求める発言は「何よりのプレゼント」と、夫と二人で祝盃をあげていました。

続きを読む "川辺川ダムは、止まるか" »

2008年8月28日

“三本の矢”は折れない?三知事は“河川の自治”を取り戻せるか?

滋賀県の嘉田紀子知事が8月23日に、大阪の橋下徹知事、京都の山田啓二知事を誘って琵琶湖で、滋賀県の環境学習船「うみのこ」号に乗って、「淀川水系のダム」について話し合いました。

「淀川水系ダム」については、このブログでも書いてきましたが、私が1988年から反対を続けている長良川河口堰が1995年に完成した時に、産経新聞以外の新聞がすべて社説で反対したにもかかわらず、社会党の野坂浩賢建設大臣が「運用」のGOサインを出した時、現地所長としてゲートを下ろした河川官僚、宮本博司氏が、今は河川局と対抗して、「淀川流域委員会」の委員長として“がんばっている”のです。

がんばっている、とは「闘っている」ということで、彼が最近、朝日新聞大阪版で連載している「なぜ、どうしてもダムなのか」によると、『河川局の中でも自分と同じように考えている近畿地建の部下たちと一緒に、自分は「淀川流域委員会」を、1997年の亀井静香建設大臣の“河川法改正”の賜物として運営した。その結果、流域委の結論が「ダムはいらない」と出たのに、その委員会を諮問した河川局が諮問に従わないのはおかしいのだ』と。

続きを読む "“三本の矢”は折れない?三知事は“河川の自治”を取り戻せるか?" »

2008年8月 1日

川は、なぜ“魔物”になるのか? 

兵庫県の三面張りの川で、小さな命が失われました。三面張りの川は、洪水を早く流すためにそのような姿にされていました。それに“親水”というネーミングと役目をもたせた国土交通省河川局の責任が問われます。“親水”という言葉で住民の反対なく公共事業ができる社会の仕組みを作ってきたのが、旧・建設省、現・国土交通省でした。

「水が堤防からあふれない」ように造られていたことが、子どもの命を奪いました。「堤防からあふれる」と市街地に水がおよぶから、「堤防からあふれない」ようにされてきたのが、近代の河川工法でした。

しかし水は、堤防内におしこめればおしこめるほど、早く強くなって、「魔物」になるのです。

今、欧米諸国では、それが洪水時にはかえって危険だとわかり、堤防から水があふれて洪水が「遊べる」ように、「遊水地」が堤防に続いて造られ、「おだやかに」洪水を受け止める手法が公共事業として進められています。

続きを読む "川は、なぜ“魔物”になるのか? " »

2008年6月 6日

河川法をめぐる元・河川官僚との共闘

1988年から反対を続けていた長良川河口堰のゲートが降ろされた1995年7月の現地所長は宮本博司さんだった。

その宮本さんはその後、近畿地建(近畿地方建設局)に転任すると、「淀川流域委員会」をつくった。

1997年に改正された河川法の「住民対話」と「環境重視」の精神に従って、全国のダム計画のある現地で設置された諮問機関だが、他の河川ではほとんどが“お手盛り”(役所の)なのに、この「淀川」だけは“まっとう”で、「NOダム」の結論が出た。

しかし、この委員会に諮問したはずの河川局がその結論に従わないという態度を示し、所長の宮本さんは不本意だったのだろう、“キャリア官僚”を辞職した。

続きを読む "河川法をめぐる元・河川官僚との共闘" »

2007年10月28日

ムダ遣い公共事業

今秋は、日経新聞が全国版一面トップ記事で「公共事業のムダ遣い一番は、ダム事業」と書き、週刊現代は2回に分けて、「巨大公共事業のムダ」をカラーグラビアで連載しました。

国会でも、福田総理の初めての予算委員会に民主党は、菅直人・前原誠司・岡田克也の元代表を投入し、菅さんと前原さんは二人とも、ダム事業などの巨大公共事業のムダを指摘すると共に、それらの無駄な公共事業をやめてしまえば、「林業」や「農業」を再生させるなどに使える税金が1兆円はあるはずだとも指摘しました。

続きを読む "ムダ遣い公共事業" »

2007年3月 5日

“河川法”はウソなのか

 私たちが1988年から開高健さんと繰り広げた長良川河口堰反対は、国会を二分する全国運動となり、“川の国ニッポン”に誇るべき川がもう数本しか残っていないのはなぜかと問う、「20世紀の文明論」となりました。

 そのため、95年に建設が終了し、ゲートが下ろされた時も、運用宣言をした社会党建設大臣・野坂浩賢は、「天野くんたちの運動にも答えなくては・・・」とのたまわったのです。

 97年に亀井静香建設大臣が“河川法”を改定しようとしたのは、その野坂浩賢大臣の言葉を受けてのものでした。河口堰運用の直前の95年2月に、当時の亀井静香運輸大臣が野坂浩賢と“土工協(日本土木工業会)”との仲を取り持ち、野坂が「社会党は、これからは皆さんと仲良くやってゆく」とパーティで発言した後で、1億円の献金が社会党に入り、“運用”宣言がなされたことを、“亀ちゃん”は覚えていたからでしょう。

続きを読む "“河川法”はウソなのか" »

2007年1月19日

愛知県知事選へ公開質問状

愛知県で行われる2月4日の知事選へ向けて出馬する三候補へ、「長良川河口堰に関する公開質問状」を、「長良川河口堰建設に反対する会」の事務局長として提出しました。

三者とも返事をくれました。質問と三者の答えの全文は以下のとおりです。

http://nagara.ktroad.ne.jp/aichi/20070117aichi.html

続きを読む "愛知県知事選へ公開質問状" »

2006年12月31日

「“脱”ダム」のその後―嘉田由紀子の変身

 読者の皆さんは、ダムの嫌いな私が、「ダム中止」を公約とした嘉田由紀子滋賀県知事の誕生を話題にしてこなかったことを不思議に思われたかもしれません。

 実は私は、この人と一緒に、1987年には国土庁の「水を語る女性の会」に所属していました。時の国土庁長官綿貫民輔氏が会議で私に「日本の川はどうなっていますか」と聞きました。「一級河川で本流にダムのない川は、釧路川と長良川だけ。長良川に河口堰をつくるべきでない」と答えた私に綿貫さんは「私は富山の神職。黒四ダムなど富山もたくさんのダムを造ってきたが、最後の川には造らない方がよいね」というので安心していたら、翌年、長良川河口堰工事が着工し、建設大臣になったのは綿貫氏でした。

続きを読む "「“脱”ダム」のその後―嘉田由紀子の変身" »

2006年9月27日

新幹線が、止まった

 「新幹線が、止まった」と、友人で、私とは「市民事業」(中公新書ラクレ)の共著もある法政大学の五十嵐敬喜(たかよし)教授から、9月25日に電話が入りました。

 あの滋賀県の嘉田由紀子知事の二大公約、「新幹線の新駅は滋賀県には造らせない」と「ダムはいらない」のうち、「新幹線」については栗東市で住民の差し止め裁判が起こっていたのですが、大津地裁で住民の差し止め要求が認められたというのです。

 五十嵐さんは辣腕弁護士でもあるので、これまで「差し止め」要求が認められた判例がほとんどなかったので、事の重大性を言われるのです。
 
 本朝(9月26日)の毎日新聞全国版に、彼のコメントが載っています。
 
 正確には、「新幹線が、止まった」のではなく、「新幹線を止める駅の工事が止まった」のですが、五十嵐さんの興奮がわかります。

続きを読む "新幹線が、止まった" »

2006年9月 3日

最上・小国川にダムはいらない 5

 「小国川ダム」についてもうけられた最上川流域委員会は、私たち四名から県知事あてに提出した意見書を無視せず、参考資料として委員会でとりあげました。
 以下は、委員会を傍聴した「最上・小国川の“真の治水”を考える会」事務局長の草島進一さん(鶴岡市議)の文章です。一部を転載させてもらいますので、この公共事業についての状況を、皆さんの足元の公共事業解決の参考となさってください。
 
 「最上・小国川の“真の治水”を考える会」のホームページは
http://www.ogunigawa.org/です。

続きを読む "最上・小国川にダムはいらない 5" »

2006年8月14日

最上・小国川にダムはいらない 4

8月11日の天保さんに答えて。

武庫川流域には、女医の谷田百合子さんらの聡明なダム反対グループ「武庫川を愛する会」があります。
国土交通大臣が諮問し、「大臣はその意見を尊重しなければならない」(「諮問」とはそういうもの)流域委員会で、最初にできたのは「淀川流域委員会」でした。これのお世話をしたのはMという当時「近畿地建」(近畿地方建設局)の所長。この人は、長良川河口堰のゲートを降ろした役人でした。

彼ら河川官僚は、私たちの長良川河口堰に反対する全国規模の反対にほとほと手を焼きました。M氏はそこから何かを学んだのでしょうか。
私はさすがによう入れなかったのですが、そこそこの信頼できる人物が入れるような仕組みの委員会を作りました。

続きを読む "最上・小国川にダムはいらない 4" »

最上・小国川にダムはいらない 3

8月9日のサンルさんに答えて。

田中康夫さんの選挙には、1万票も白票が入ったそうです。これは、”やんちゃ”なヤッシーの手法に対するファンの怒りかもしれませんが、私にはとても幼稚に思えました。

 サンルさんは「住民が声を出して反対する意味ってあるのですか?」と言いますが、それではなぜあなたはコメントをしているの?
「行動」をすれば、行動をしないよりは何かが変わることを私は知っています。

続きを読む "最上・小国川にダムはいらない 3" »

2006年8月10日

最上・小国川にダムはいらない 2

 一昨年私は、小国川ダム計画について、山形県の河川担当役人H氏と話をしていて、田中康夫長野県知事が「“脱”ダム宣言」で指摘した「多目的ダム事業の図式」が、いかに地元役人を誘惑していたかを実感しました。

 「“脱”ダム宣言」は、いわく。

 「利水・治水等複数の効用を齎すとされる多目的ダム建設事業は、その主体が地元自治体であろうとも、半額を国が負担する。残り50%は県費。95%に関しては起債即ち借金が認められ、その償還時にも交付税措置で66%は国が面倒を見てくれる。詰まり、ダム建設費用全体の80%が国庫負担。然れど、国からの手厚い金銭的補助が保証されているから、との安易な理由でダム建設を選択すべきでない」(一部)。

続きを読む "最上・小国川にダムはいらない 2" »

2006年8月 8日

最上・小国川にダムはいらない

 最上川(山形県)の河口から60km上流で右岸(下流へ向かって右)から流入してくるおよそ40kmの川が小国川で、この川は私の『日本の名河川を歩く』(講談社+α新書)では、“ベスト10天然河川”のうちの第二位に選ばれています。10項目を星5つで選ぶ“私的ミシュラン”では、「ダムがない」「アユが天然溯上している」「川漁師がいる」「川魚を食べさせる文化がある」「川の正しい風景がある」の5項目で星5つを取れているからです。

 この川に、山形県のダム計画があるのですが、小国川漁業協同組合が“絶対反対”を貫いているので県が苦戦しています。県は昨年より、ついには“穴あきダム案”まで持ち出してきて、「とにかく造ろう」という態度に出てきました。この8月中にも結論へ導こうとしています。

 このダム案と、それをめぐる人々を数回にわたってレポートします。(つづく)

2006年7月10日

九州さんに答えて

 6月10日のおたずねに、遅くなりましたがお答えします。(会社への対応には間に合わなかったかもしれませんが・・・・。)

 本当は反対なのに、署名を書くことが会社で“踏み絵”となっているあなた。どういう対応をとられたでしょうか。

 私は、ちがう答え方をさせていただきます。(理由は、自分で考えて決めるべきものだと思うからです。)

続きを読む "九州さんに答えて" »

2006年6月 9日

公共事業の”質”が変わる前兆が見える

 「道路」を全面見直すといった和歌山知事。「新幹線」も、4月16日の佐賀県鹿島市長選で現役市長が勝ったことで、“立ち往生”に追い込まれています。

 九州新幹線長崎ルートが造られると、在来線長崎ルートは廃止となります。それに反対する市長が2千票以上の大差で、推進候補をしりぞけたのです。以前は一緒に反対していた周辺首長が、地域振興策という“アメ”で県知事の説得を受けて次々と脱落してゆく中での桑原允彦市長のがんばりです。

 全国で進んだ近年の地方新幹線建設。その多くで、新幹線が新たにできたことでかえって駅前商店街がすたれたり、在来線と10分しか変わらないのに巨額な工事がなされた財政赤字が問題となっているのを知っているため、鹿島市民は「賢明な選択」をしたのでしょう。

 桑原市長が特別に過激な人物でないことは、様々な要職の経歴を見ればわかります。「生活に必要な在来線を失くしてしまうようなものならいらない」という市民の“まっとうな”願いに耳を澄ましたら、三選までを公約していたが五選も出馬せざるを得なかったということのようでした。

 「公共事業」をいらないということは、小さな市にとってはキツイこと。国や県から“アメ”がもらえないだけでなく、“ムチ”が用意されているからです。建設業者からは「俺たちが首をくくってもよいということなのか」と泣きつかれ、恫喝もされます。

 しかし、それでも。「道路」も「新幹線」も止まり始めたのは、これが、公共事業の“質”が変わる前兆であると私には思えます。

続きを読む "公共事業の”質”が変わる前兆が見える" »

2006年5月 8日

都市計画道の全面見直し

 朝日新聞大阪本社版では、5月1日の一面トップ記事は「和歌山県が都市計画道の全面見直しの方針を決めた」とのニュースでした。

 和歌山県は、未着工の110路線、計358キロについて、廃止も含めて全面的に見直すのだといいます。

 人口減に伴う需要の低下や財政難などが理由で、地域の実情を再調査して「身の丈に合った道路を整備する」(県土整備部)としています。県によると、未着工路線すべてを見直すのは都道府県では異例という、と、山尾有紀恵記者は書いています。

続きを読む "都市計画道の全面見直し" »

誰も知らない“自然再生推進法”③

 朝日新聞が5月1日に、全国版で、「湿原再生事業10億円に“異議”」という見出しの記事を大きな写真入りで載せました。

 先回のこのコーナーで報告した、私に電話を掛けてきた記者の名がありました。

 釧路湿原内の釧路川を「洪水防止」と称して25年前に直線化したうちの2.7キロを蛇行に戻すことについて、「釧路湿原自然再生協議会」に参加したNPO『トラストサルン釧路』が、「多数決などの議決はなく、いつの間にか了承されていたのが実態。われわれ民間は軽視されていた」とし、川岸の土盛りを取り除くなど「最低限の工事にとどめるべきだ」と、「公共事業の看板の付け替えに過ぎない」と反対を表明する事態となっている、というのです。

続きを読む "誰も知らない“自然再生推進法”③" »

2006年4月25日

誰も知らない“自然再生推進法”②

 そして。(前回よりつづく)

 鳩山由紀夫民主党代表は、「公共事業を国民の手に取り戻す委員会」を代表の特別諮問機関として作ってくれと私に依頼しました。亀井静香自民党政調会長は、「また私に何かやらせようというの。政調会長は忙しいんだから。まあまあ見てなさいよ」と“意味深”なお言葉。

 9月になって民主党の委員会を立ち上げていると、驚いた。なんとあの亀井静香が「公共事業の抜本的見直し検討会」を発表したのです。

 「選挙中は公共事業のどこが悪いといっていた男(ひと)が、“抜本”とはよういうわ(京都弁)」と笑ってしまいましたが、あれよあれよという間に、12月までに本当に233の公共事業をこの御仁が止めてしまったのです。公共事業がこのような数で止まったのは初めてでした。7万件もある国の公共事業の中でたった233とはいえ・・・。

 一方、鳩山委員会も11月1日に「“緑のダム”構想」を発表しました。こちらの方は、その1週間前に長野で誕生していた田中康夫知事に送りましたが、翌2月20日にぶっぱなされて日本中が驚愕した「“脱”ダム宣言」に少しは参考にしていただけたでしょうか。

 亀井氏は233を止めて次に何をする気かと見ていると、日経新聞が3月に「亀井派から“自然再生”法案」と報道しました。そして12月には自民党の国土交通部会(かつての建設部会)で勉強会が開催されて、そのテーマは「川に蛇行をとりもどす」で、ヨーロッパの「川の再自然化」のパネリストの講演でした。この勉強会に出席した新潟県選出議員はその足で地元の現町長の選挙応援演説に向かい、次のように叫びました。「皆さん、自民党はもうダムを造らない。これからは川に蛇行を取り戻すなど“自然再生”です。清津川ダムに反対する現町長を応援しましょう」と。

 それから1年後の2002年12月に「自然再生推進法」は成立しました。

続きを読む "誰も知らない“自然再生推進法”②" »

誰も知らない“自然再生推進法”①

 アマゴが釣れない。

 四月は、高知県仁淀川と和歌山県日高川の二河川でアマゴ(西日本の太平洋側河川に棲息する渓流魚)釣りをしたのですが、どちらも1匹ずつという貧漁。原因は“鵜”でした。

 アマゴが釣れない原因が“鵜”とは、これいかに。

 近年は、日本中いたる河川にダムができていて、日本の国魚ともいえるアユが川を溯上できない。そこでアユをダム湖の上流へ放流するという手法がとられています。すると、川の上流部で鵜が増えるのです。

 かつて。ダムがない時代には天然アユは、春には川を溯上し、秋には産卵のため川を下って河口部で命を果てるというライフサイクルを繰り返していました。そのアユを好物とし、主に河口部を生息域とする鵜も、春と秋には大量の獲物にありつくという具合でした。その時代、アユも他の魚もいくらでもいて、鵜は移動しなくても、河口部だけで豊かな食生活を営めていたのです。

 今は、全国のダム上流のアユ釣りで有名な河川では、毎朝5時に漁協幹部が河原に立ち、銃で鵜を撃ち落とす作業をしています。鵜が異常繁殖して、アユだけでなく、アマゴなど他の川魚まですべてを食べ尽してしまうからです。

 何故そんなことが起きているか。この原因が「ダム」なのです。鵜にとっては、ダムは新しくできた海に見え、そこに人工的に放流されるアユは、さまざまな開発行為によって減少してしまった川の資源の中では、貴重なエサとなってしまっているのです。賢い鵜の中には、漁協が作っている人工アユセンターを見張っていて、そこから出る放流のトラックについていって、ダム上流河川へアユが放流されるやいなや襲い掛かるという、まことしやかな噂もあります。多分、本当なのでしょう。

 ダムで寸断されておらず、川が豊かであった時代には、こんなことはなかった。鵜がいくら食べても、アユだけでなく、川からアマゴやオイカワまで消えてしまうなんてことはなかったのです。

続きを読む "誰も知らない“自然再生推進法”①" »

Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.