自然に学ぶ「森里海連環学」のすすめ
山陰中央新報連載 自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめNo.33
再生エネ立国の現状 ―デンマーク紀行―
1月22日から、デンマークへ行ってきた。
世界規模で起こった1970年代の2回のオイルショックがあって、ヨーロッパはじめ世界各国は原発開発を進めた。その中で、九州とほぼ同じ面積のデンマークでも15個の原発計画が作られていたが、ロラン島に計画されたものに住民が強く反対し、国との話し合いのために、73年に委員会が設置された。
話し合いの結果、代替エネルギーとして「風力発電」が選ばれた。以来、デンマークからは原発計画が全くなくなった。
そのロラン島に行ってみると、島は、「風力」だけではなく、「R(リニューアル)水素」「畜産糞尿(ふんにょう)からのバイオガス」「藁(わら)を中心とするバイオマス(木質)」などの発電の開発先端都市になっていた。
また、サムソー島でも、同様にさまざまなエネルギー開発が行われ、田舎で起きている過疎問題の解決策として、「再生可能エネルギー開発立地」が提案されていた。
写真の男性は、69歳の農家。800㌶の農地と150㌶のブラックベリー畑を持っているが、300戸の人々に熱を配っている写真のボイラー施設の管理人を引き受けているほか、息子と一緒に、100戸の人々に熱を送る会社もつくっている。
その上、自分の家には大麦の穂を燃やすボイラーの熱を使うなどしているという。
「再生エネルギーは、もうかるよ」と誇らしげだった。
このヤンセンさんは、このボイラーを一人で管理していた。私がオーストリアやドイツで何度も見た事例もやはり、一人の男性が1日に一度見回りに行くくらいで管理がなされていて、何か問題が起これば、ヤンセンさんも言っていたが、ポケベル一つでボイラーに駆けつければほとんどトラブルは解消できるとのことであった。
この山陰中央新報社の連載を続けてきた島根県高津川流域では、これから5年の「総合特区」に当選していて、こういった「再生可能エネルギー」を考えてゆく上でこれまで障害となっていたさまざまな規制が緩和できるというチャンスも生まれている。
高津川流域の3市町の若い行政マンたちは、「木質バイオマス」「小水力」「太陽光」「鶏産糞尿(ふんにょう)からのバイオガス」を研究し始めている。産業界にも、それを共に考えようとしている人が増えつつある。
デンマークでは、過疎地の「生き残り策」として"再生可能エネルギー"が開発されていた。日本列島で人口減少が予測されている島根県が、若者を呼び込む策として"再生可能エネルギー"の開発を考えられないだろうか?
少子高齢化に向かうわが国の官僚が考え出した「総合特区」には、その使命もある。






