Calendar

2012年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29      

Recent Comments

« 自然に学ぶ「森里海連環学」のすすめ
メイン
自然に学ぶ「森里海連環学」のすすめ »

自然に学ぶ「森里海連環学」のすすめ

山陰中央新報連載 自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめNo.33

再生エネ立国の現状 ―デンマーク紀行―

1月22日から、デンマークへ行ってきた。

世界規模で起こった1970年代の2回のオイルショックがあって、ヨーロッパはじめ世界各国は原発開発を進めた。その中で、九州とほぼ同じ面積のデンマークでも15個の原発計画が作られていたが、ロラン島に計画されたものに住民が強く反対し、国との話し合いのために、73年に委員会が設置された。

話し合いの結果、代替エネルギーとして「風力発電」が選ばれた。以来、デンマークからは原発計画が全くなくなった。

そのロラン島に行ってみると、島は、「風力」だけではなく、「R(リニューアル)水素」「畜産糞尿(ふんにょう)からのバイオガス」「藁(わら)を中心とするバイオマス(木質)」などの発電の開発先端都市になっていた。

また、サムソー島でも、同様にさまざまなエネルギー開発が行われ、田舎で起きている過疎問題の解決策として、「再生可能エネルギー開発立地」が提案されていた。

写真の男性は、69歳の農家。800㌶の農地と150㌶のブラックベリー畑を持っているが、300戸の人々に熱を配っている写真のボイラー施設の管理人を引き受けているほか、息子と一緒に、100戸の人々に熱を送る会社もつくっている。

その上、自分の家には大麦の穂を燃やすボイラーの熱を使うなどしているという。

「再生エネルギーは、もうかるよ」と誇らしげだった。

このヤンセンさんは、このボイラーを一人で管理していた。私がオーストリアやドイツで何度も見た事例もやはり、一人の男性が1日に一度見回りに行くくらいで管理がなされていて、何か問題が起これば、ヤンセンさんも言っていたが、ポケベル一つでボイラーに駆けつければほとんどトラブルは解消できるとのことであった。

この山陰中央新報社の連載を続けてきた島根県高津川流域では、これから5年の「総合特区」に当選していて、こういった「再生可能エネルギー」を考えてゆく上でこれまで障害となっていたさまざまな規制が緩和できるというチャンスも生まれている。

高津川流域の3市町の若い行政マンたちは、「木質バイオマス」「小水力」「太陽光」「鶏産糞尿(ふんにょう)からのバイオガス」を研究し始めている。産業界にも、それを共に考えようとしている人が増えつつある。

デンマークでは、過疎地の「生き残り策」として"再生可能エネルギー"が開発されていた。日本列島で人口減少が予測されている島根県が、若者を呼び込む策として"再生可能エネルギー"の開発を考えられないだろうか?

少子高齢化に向かうわが国の官僚が考え出した「総合特区」には、その使命もある。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/8392

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.