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自然に学ぶ「森里海連環学」のすすめ

山陰中央新報連載 自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめNo.30

三賢人との対話 ―キーン先生"森の仲間"に―

ドナルド・キーン先生が日本国民となることを決意され、帰ってこられた。アメリカ人で、日本文学と日本文化の美しさを、世界への"懸け橋"として最も的確に紹介してくださった先生はこれまで、日本と母国を往復する生活をなさっていたが、今年の1月に東京で入院され、その時に「最後に過ごすのは日本」と考えられていたそうだ。

3月11日に三陸の津波の映像をアメリカで見られ、「日本国民を励ましたい」と思われて、日本国籍の取得を発表された。

「フクシマ」原発の爆発で、多くの外国人が日本から逃げ出した。その時、C.W.二コルさんは、「僕は、絶対逃げ出さない。僕は日本人だからね」とおっしゃった。

その後、キーン先生の日本国籍取得が発表された時に、喜んだのが二コルさん。二コルさんは2002年に、キーン先生との対談本「ボクが日本人になった理由(わけ)」を出版されている。イギリスのウェールズに生まれたニコルさんが1995年に日本人となられた理由(わけ)と、今回キーン先生が日本人になられた理由(わけ)は、同じではないだろうか。お二人とも、日本人はもっと自国の文化や自然を大切にしてほしいと考えておられると思う。

私と、ニコルさんは、キーン先生をニコルさんの長野県・黒姫山裾の「アファンの森」にお招きし、養老孟司さんと、キーン先生、ニコルさんの鼎談(ていだん)を計画しようと考えた。

養老さんを委員長、ニコルさんを副委員長、私が事務局長の「日本に健全な森をつくり直す委員会」が東日本大震災後の7月20日に首相官邸で菅直人総理(当時)に手渡した提言書「森林(もり)と自然エネルギーに生かされて生きる日本になるために」を、キーン先生にも理解していただきたいと願ったからだった。

10月31日に、お三方と私は小さな宿に集まり、翌11月1日に「アファンの森」を歩いた。あたたかな、風のない、晴れた日で、ニコルさんが26年かけて荒れていた二次林を見事に甦(よみがえ)らせた森は、さまざまな美しい色で、キーン先生をお迎えした。その森と周囲の山々を見られてキーン先生は「本当に美しい。ここに再び来られて、幸せです」と美しい日本語で話された(このとき、いつも美しい日本語で話すことを心掛けていない自分が恥ずかしくなったことを告白します)。

鼎談の司会は私が務め、およそ2時間を暖炉の前で過ごした。この模様は、2012年1月25日に中央公論社が出版する一冊となる。TBSも記録映像として収録してくださった。

最後にキーン先生に、「私たちの『日本に健全な森をつくり直す委員会』に入ってくださいませんか」とお尋ねしたところ、すぐさま返ってきたお返事は「はい、喜んで」であった。

「"森の仲間"キーン先生」が誕生した。

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Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


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