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自然に学ぶ「森里海連環学」のすすめ

山陰中央新報連載 自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめNo.27

再び「清流日本一」に! ―"森里海"の連環を取り戻そう―

2007年、08年の発表では連続して「日本一」になっていた高津川が今年、再び「清流日本一」に返り咲いた。

「日本一」になれなかった09年に、流域の島根県吉賀町の婦人会は、川の漁協、森林組合、行政と協力してEM(有用微生物群)団子を作り、川に投入するという活動を始めた。

EM使用は、以前より旧柿木村では有機農業から始まってきており、婦人たちは、風呂や台所からもEM活性液を投入していた。津和野町でも、婦人部が続けてきていた。

「再び、清流日本一を」は、この数年、高津川を愛する人々の共通の想(おも)いであった。「EM」については、理解ができない方もいらっしゃるようだが、「納豆」や「味噌(みそ)」を作るのと同様の自然界の力を結集させたものであり、マイナス作用があるとは思えないが、使い続けなければ、水質に変化を起こすほどの効果は出ないというものだ。

むしろ、婦人たちが吉賀町長の理解を得て活動を続け、それに流域の他の首長も理解を示して、川の水質の影響を一番受ける高津川漁協と、森から水を供給している高津川森林組合も協力して活動したというところが、「水質日本一」の称号を再び持ち得た理由の一つではないだろうか。

家庭から出される排水の中で、一番の汚染源は、実は「米のとぎ汁」。かなり環境への負荷が高い。ところが、このとぎ汁を栄養にしてEMを活性化させると、それまでの"悪玉"であるとぎ汁が、"善玉"に変身して水質を浄化するというのだ。

全国で「EM」を愛好する人々は、これを実際に自分で確かめて、水質浄化を進めてきた。台所からとぎ汁を出している主婦に「EM愛好者」が多いのは、こういう理由だ。

政治家として、婦人会を財政的に応援することを決断してくれた中谷勝吉賀町長に、私は敬意を表したい。

高津川流域では吉賀町、津和野町、益田市が、流域の森林関係者が私や養老孟司先生とつくる「清流高津川を育む木の家づくり協議会」と協力して、さまざまな活動を展開している。

今回の「日本一」奪還は、それらのみんなが他の団体とも協力して進めた"森里海の連環"を取り戻そうとするすべての活動が成し遂げたものであろう。

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Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


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