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自然に学ぶ「森里海連環学」のすすめ

山陰中央新報連載 自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめNo.26


三つの勉強会と「鮎喰い」 ―「二地域居住」の実践も―

6月24日から3日間、島根県の高津川を舞台に三つの勉強会などを行い、3軒の店で"天然アユ(鮎)のフルコース"を食した。

24日は、林野庁から木材産業課長・渕上和之氏においでいただき、勉強会「高津川流域からもっとたくさんの材を出すために」を行った。

25日は、千葉から78歳の「日本不耕起栽培普及会」代表の岩澤信夫氏においでいただき、「"究極の田んぼ"不耕起栽培」講演会を開催し、吉賀町と益田市の5ヵ所の田んぼを見て回った。来年から両地域で「不耕起田んぼの市民農園」をつくる。

26日は、裏匹見峡に養老孟司さんにおいでいただき、広島市民を2台のバスで運び、みんなで「ゾウムシ」探しをした。養老さんは「現代にも"参勤交代"を」が持論。広島市内の自然の少ない環境に住む都会人も、月に1度ぐらいは匹見峡などの自然の中に出掛けたりして心身を健康にし、田舎にも災害時などに避難できる拠点をつくっておいてはいかがかという提案だ。

3人の講師に3晩、天然アユのフルコースを食べていただいた。吉賀町柿木村の「原田屋旅館」、料理屋「潮」、津和野町の「美加登家」。遠くから来ていただいたお礼に夏は「天然アユ」を食べてもらう。こんなことができるのが、本流にダムのない天然河川、天然アユの溯上(そじょう)する高津川の魅力。

それぞれの店に味わいがあり、工夫が凝らされている。「小さなぜいたく」を3人の講師にご相伴した。

高津川流域は、戦後の大造林が全国の他の山に比べて10年遅かった。そのため流域の森は今、35年生が多い。幸いなことに35年ぐらいで間伐がしっかりできると、残った木が良く育って良材となる。この流域の森に作業道を今しっかりつけて、人工林材が大量に使えるようになると、森林所有者さんにお金をたくさん返してあげることができる。林野庁の渕上さんは「森林・林業再生プラン」が林野庁によってつくられ「10年後には今の2倍の材が全国の山から出されることが目標になっている」ことを話してくれた。

「不耕起の田んぼ」づくりの岩澤さんは、鶏・牛糞(ふん)の入る有機農法よりも安心で、自然農なのに収量も多く、高値で売れている「不耕起米」づくりを、今後も指導してくださることになり、村ぐるみで30年「有機」を続けてきた柿木村に新しい希望を与えたと思う。

高津川流域では益田市、津和野町、吉賀町が県と一緒になってこんな勉強会をやっている。私はコーディネーターとして、お手伝いをするために大阪から通っている。

「現代の"参勤交代"」、「二地域居住」の実践者なのである。

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天野さん津和野出身のベンチャー企業経営者です 故郷の高津川は良い川ですね、郷土の誇りです 昨日東京の「島根イン」と言うところで、県の東京事務所の方とお会いしたら高津川の鮎を東京で食べさせてくれるところがあるようです。 ぜひふるさとの味を賞味してみたいものです

山陰中央新報の連載に書いた津和野町の美加登屋の親戚が新橋でやっているアユ料理屋が「鮎正」で「ミシュラン」にも載っています。ただしこの店より、美加登屋の方がおいしい。釣り鮎をその晩に食べられるから。東京へ運ぶ分だけ、味が落ちるのです。
ところで山本さん。あなたの連絡先を私に知らせてください。島根県農林水産部にお尋ねになると私の電話番号はわかります。

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Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


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