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自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめ

山陰中央新報連載 自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめNo.22

ごみ少ない高津川 ―流域民の生き方映す―

私のニックネームは"あまご"。名付け親は、文学の師・故開高健(かいこう・たけし)さん。私の名の前後で"天子"となるのと、初めてお会いした日に、ずっとアマゴ釣りのことを楽しそうに話したからだそうだ。

アマゴは日本列島では、太平洋に注ぐ神奈川県酒匂(さかわ)川以西の川に棲む。酒匂川以東の太平洋側と日本海側の河川にはヤマメが棲んでいる。この棲み分けを調べたのは故今西錦司さん。京都大学で「文化人類学」を創設された方でもある。

同志社大学の1回生の時にアマゴ釣りを覚えた私は卒業後は就職せず、今西先生が会長を務められていた「ノータリンクラブ」という釣りクラブに所属して、紀伊半島などを渡り歩いていた。「釣りをする人間なんてものはみんなノータリンさ」ということらしいが、なぜか納得できる(笑)。

さて、一般的には3月1日が解禁日の渓流釣り。私の今年の初釣りは、ヤマメ狙いの高津川か、アマゴ狙いの高知県仁淀川。どちらか水況の申し分のない方に向かうことにしている。あなたは、どちらへ?

アマゴの体にはヤマメにはない朱点があり、ヒレがピンとしていて朱点が多すぎない。養殖アマゴではない特徴を持った天然アマゴを、私の釣りの師匠の大西満さんは「ベッピンさんのアマゴ」と呼んでおられた。そんなアマゴが釣れたとき、私は放流することにしている。その子孫がまた私と遊んでくれるかもしれないし、私以外の釣り人の竿(さお)も曲げてあげてくれればよいと思うからだ。

ところで、川にはそこに住む人々の生き方が映っているといつも思う。島根県の高津川は、全流域を通じて川にごみが少ない。流域の人々が川にごみをあまり捨てないのだろう。日本中の川を歩いてきたから私にはそれが分かる。ベストセラー「バカの壁」を書かれた養老孟司さんは、「島根には"お手入れの思想"というものがあるね」と感心されている。

昨年、高津川のある支流で集落から川へ降りる小路(こみち)があまりないところを発見した。今の私の興味は、それが「なぜなのか」ということを調査すること。こんなことをいろいろと考えながら釣っていると、アタリがあっても餌だけ取られたりする。それもまた、楽し。

春だ、渓(たに)へ行こう。"あまご"とヤマメの勝負やいかに。雪代の流れに乗って、「男前のヤマメ」が出てくれるかな?

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Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


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