Calendar

2010年6月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

« ヨーロッパ林業視察  パートⅠ
メイン
mont-bell広報誌「OUTWARD」連載 48号 »

自然に学ぶ「森里海連環学」のすすめ

山陰中央新報連載 自然に学ぶ"森里海連環学"のすすめ No.12

二つの委員会―森から日本再生願う

今、政府の二つの委員会に属している。一つは林野庁の「森林・林業再生プラン」を実践するための「作業道」の委員会。その委員会に属する奈良県清光林業第17代当主の岡橋清元さんや京都大学名誉教授の竹内典之先生ら5人とわたしは、5月7日から15日に、ドイツ、スイスを歴訪し、作業道やそれを使った「仕事のシステム」を勉強しにゆく。

日本には、これまで林野庁や自治体が造り続けていたがほとんど使われていなかった「林道」は無数にあるが、実際に木を伐(き)り出すときに必要な「作業道」はあまり造られてこなかった。

それを造るためには、小さな所有者たちをまとめなければならなかったからだ。ほとんどの県で、森林組合にその仕事ができていないという現実が横たわっていた。

昨年末に新政府がつくった「森林・林業再生プラン」は、その現実を変え、10年後までに年間5千万立方メートルの材を山から出せる「生産システム」をつくり上げようというもの。作業道造りは、その中で最も重要な課題なのである。

国土交通大臣に任命された、国交省住宅局の中に設置された「"木の家づくり"から林業再生を考える委員会」の方は、林業の"川下"といわれる住宅づくりの推進を考える。

山から材が出てきても、雇用不安や年金不安では、とても家を新築する気にはならない。しかし30年後までには確実に地震が日本列島各地を襲うことも予想されている。

その時までに"耐震型"や"省エネルギー型"に、古い住宅をリフォームしておく必要はある。若者がおじいちゃんと一緒に「50年ローン」でもそれに取り組めるように考えている。

また「"木の家づくり"から林業再生を考える委員会」の委員長に就任された養老孟司先生は、「現代の"参勤交代論"」を唱えられ、都市住居者が年に1カ月くらいは田舎を訪れ、自分の食物をつくる練習をしたり、災害時の避難小屋を木造でつくっておいたりすることも提案されている。

その養老先生を囲む、わたしが事務局長を務めている「日本に健全な森をつくり直す委員会」は、それらのことを書いた一冊を、このたび「石油に頼らない―森から始める日本再生」(北海道新聞社刊)として、出版した。

石油にたよらない.jpg

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/6997

コメント (2)

■コメント投稿について編集部からのお願い

《THE JOURNAL》では、今後もこのコミュニティーを維持・発展させていくため、コメント投稿にルールを設けています。はじめて投稿される方は、投稿の前に下記のリンクの内容を必ずご確認ください。

http://www.the-journal.jp/contents/info/2009/07/post_31.html

ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

森は、人を含む自然を豊にしてくれます。
いつの頃から、人はその豊かさを見間違えるようになったのかもしれませんね。
その価値観、特に消費することが豊かさに繋がるとは、思えない面もあると思えるのです。
けれど、荒れた森林を再生するためには、それの消費も考えないと再生の道も見えてこない。問題の山積がここにもありますね。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.