日本林業について
「ヨーロッパ林業視察」を「パートⅠ」だけで中断してしまいました。意見を寄せていただいた方と、今の「森林・林業再生プラン」の間に、あまりにも差があることに愕然としたからでした。
私には脳内に「脳動静脈奇形」という難病があり、いつも「残された時間を大切にしよう」という想いで生きています。またそのため、「失語症」に陥る可能性が高く、自分がコンピューターに頼っておかないためと、いつ死んでも幾人かの友人たちに私の仕事を受け継いでもらえるように、このブログを清文することや、政治家たちに文章を送ったりする時には、友人たちにコンピューター仕事を依頼しています。
そんな私からすれば、私のこのブログを読んで森を心配する方々が、「森林・林業再生プランとは、どういうものでしょう」とおっしゃるのは腑に落ちないのです。林野庁のHPを見れば、昨年の12月30日から載っているはずだから。
私が4度目のドイツ訪問に5月に出掛けたのは、私が事務局を務める「日本に健全な森をつくり直す委員会」(委員長養老孟司、副委員長C.W.ニコル)が昨年9月18日に菅直人副総理(当時)にお渡しした提言書「石油に頼らず、森林(もり)に生かされる日本になるために」がきっかけとなって12月30日にできた「森林・林業再生プラン」(そのいきさつは「石油に頼らない」(北海道新聞社より4月に出版している)に書いています)が、ドイツなどからフォレスターを呼んで、全国5ケ所で今年からやっている仕事が、少し心配なためでした。
そんなことを連載しようと考えて始めた「ヨーロッパ林業視察」報告だったのですが、ブログを読んでくださっている皆さんに理解してもらうには相当書かなければ無理とわかり、断念したというわけです。
皆さんがもっと情報を仕入れてくださる必要があります。たとえば「森林・林業再生プラン」をつくったのは、梶山恵司という人物で、この人は富士通総合研究所の主任研究員でしたが、9月18日に私が菅直人さんに推薦したことによって、11月2日に内閣審議官になられています。この人の最近のブログ連載は、日経BPオンラインでごらんになれます。
ブログの熱心な読者で「農家」だとおっしゃる本田勉さんは、「森林所有者とりまとめ」や「作業道づくり」は、農家の「集落営農」や「土地区画整備事業」と同じで、「危うくないか?」と心配されます。
そこは違うことを理解する必要があるのです。
日本の「山」から長い間収入が上がらなかったのは、「外材が入ったから」ではありません。「戦後植えた木が育っていなかったから」というのが、大きな理由です。
まだ45年生~35年生くらいですから、高い値がつく木ではないのです。
しかし、それでもここ数十年、「山」で間伐が進まなかったのは事実です。それは「間伐」をする金が、小さな山の持ち主には出せなかったからです。
「森林組合」が、林野庁や県が出す「林道づくり」や「治山砂防ダムづくり」という"公共事業"に血道を上げず、小さな森林所有をまとめて、その森をしっかり間伐してあげる仕事をこれまでやっていれば、今の日本列島の、「どこもかしこも間伐がされていず」ガリー(雨の度に水が走って削られた山肌)状になってしまっているという状況にはなっていなかったのです。
建設省や運輸省の「ダム」や「空港」と同じように、林野庁は「大規模林道」「治山砂防ダム」という"公共事業"をばらまき、県や政治家はそれに依存して政治をすすめてきたという状況が、どこの山里にもあったというわけです。
そんな仕組みが国民にはもう見えていて、「政権交代」が起こったのではないでしょうか。
しかし「林業」は、そんな政治の仕組みが一番小さいので、「改革」が一番最後になったのだと私は見ています。
そして「川」の「ダム」を問うていた私が、「山」の「林業」を問うことにしたのは、「林業」を支援する「物書き」が少なく、「私も参戦しなければ間に合わない」と思ったからでした。
京都府南丹市日吉町森林組合参事の湯浅勲さんの各著書。梶山さんのブログ。私たち「日本に健全な森をつくり直す委員会」の「石油に頼らない」の一冊。林野庁のHPなどを一度よく読んでみられませんか。
この3、4年、湯浅さんや梶山さんや私、そして菅さんの民主党の森林政策も、"林業再生"のためにみんなで努力していることが理解していただけると思います。
皆さんの知識と今の現状が同じレベルになった時、私の「ヨーロッパ林業視察」は、また始められるかもしれません。
なお、「川下(かわしも)」対策も、私はしっかり進めているつもりです。国土交通省住宅局の中に「"木の家づくり"から林業再生を考える委員会」も、養老孟司氏を座長につくりました。
林野庁の「森林・林業再生プラン」のための五つの委員会も、この住宅局内の委員会も、両役所のHPをご覧になれば全内容がのぞけます。
「怒ったり、文句を言っているだけでは、森も世の中も変えることはできない」私はそう考えて、政府の委員会の中で、一番やかましく、正しいと思うことは絶対に譲らないで務めています。
一度傍聴にこられませんか、本田勉さん。KKIさん。梅光さん。ジェイソン君。太郎さん。







