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2009年7月29日

野党と民主党へ提案しました

7月22日、解散の翌朝、民主党の菅直人代表代行、山田正彦衆議院議員に面会し一時間、林業政策について意見交換をしてきました。同行者は、富士通総研主任研究員の梶山恵司さん、法政大学教授の五十嵐敬喜さん。

「7月14日に林野庁長官になった島田泰助氏が、今の林野庁の"林業改革"の中心人物」であり、政権奪取後に「林野庁との話し合い」を持つことなどを提案し、日本林業の現状を梶山さんがレクチュアしました。

菅さん、山田さんら「農業と林業の再生」を考える議員らは一昨年、梶山さんに随行され、ドイツ林業を視察しています。

私は、この日とは別に、7月15日にも、鳩山民主党代表、菅さん、前原誠司民主党副代表、亀井静香国民新党代表代行あてに、以下のようなペーパーもFAXし、野党の衆議院選マニフェストに、「ダム撤去」と「グリーン・ニューディールな住宅政策」を加えるよう要請していました。

「公共事業」をただ減らすだけでなく、「必要な公共事業に金がまわるニッポン」になってほしいと思っているからです。

ところで、「柿木村の斎藤君」に様々な反応をいただきました。私のブログを読んでいる人もいるのだとわかった(笑)と共に、「山」には多くの人々が心配を寄せていることもよくよくわかりました。

皆さんのような方には、梶山さんが過去にどんなことを書かれてきたかなどを富士通総研のHPで調べていただいたり、彼の最新のレポート「林業再生は地域活性化のビジネスチャンス」(富士通広報誌「飛翔」2009年7月号)を読んでいただきたい。「梶山さんのおっしゃっていることは、私の知っている林業の現実とは正反対なのだが・・・」とおっしゃっていた方には特にお薦めします。

私の森林に関する三冊は、「"緑の時代"をつくる」(旬報社)、「"林業再生"最後の挑戦」(農文協)、「21世紀を森林(もり)の時代に」(北海道新聞社、養老孟司氏との共著)で、特に三冊目を読んでいただけると、「川のジャンヌダルク」と週刊現代が呼んだ私が、「なぜ今、森なのか」をわかっていただけます。

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・鳩山由紀夫民主党代表(2000年時も民主党代表)

・菅直人民主党代表代行(2000年時は幹事長)

・前原誠司民主党副代表(2000年当時、「公共事業を国民の手に取り戻す委員会」事務局を務めて下さりました)

・亀井静香国民新党代表代行(2000年時は自民党政調会長)

<政権交代のための衆議院選挙時のマニュフェスト追加お願い>

 皆様、都議会議員選挙の大勝利、おめでとう存じます。
 本日は、河川政策と、住宅および森林政策について、皆様のマニュフェストに追加をいただきたい2件についてお願いを申しあげます。

 <河川政策>  「"ダム撤去"をグリーン・ニューディールに」
 皆様にはすでに、別紙のような長良川救済DAYについての御賛同願いがお手元に届いていることと存じます。そこにも記しておりますが、オバマアメリカ大統領は、"ダム撤去"を「グリーン・ニューディール」の一つとされています。
 また日本でも、農水省が、自らが推進していた中海・宍道湖干拓事業の中心であった森山水門をこのたび、7億円の費用をかけて、撤去するに至っています。
 この背景には、同送しております農水省のHPにある「生物多様性戦略」があり、その戦略の1ページにはなんと、「生物多様性に負の影響を与えているもの」としての写真に、あの諫早水門が載せられているのです。

 皆様、2000年当時のことを思い起こしていただけませんか。天野は民主党稲見哲男の後援会長として6月の衆議院選を闘いました。
 当時、自民党の政調会長であられた亀井静香氏は選挙中、「民主党が公共事業を悪というが、公共事業は"富の配分"であり、必要なものである」とおっしゃっていました。
 選挙終了の翌日から、私はヨーロッパへ飛び、ドイツ、オーストリア、イギリスの公共事業を研修しました。
 帰国後、菅さん、鳩山さん、亀井さんの順にお会いいただき、二つのことをお伝えしました。
1、ヨーロッパでは、経済難から公共事業が止まっている
2、しかしその中でも"自然再生"には税金が投入されている

・菅さんは、「さもありなん」とおっしゃいました

・鳩山さんは「私は現場を持たないので、これからも私にそんな情報を伝えて下さる委員会をつくってほしい」とおっしゃり、五十嵐敬喜教授を座長に、「公共事業を国民の手に取り戻す委員会」を代表の諮問機関として作って下さり、前原さんをその事務局長として下さりました。11月1日に委員会が初めて出した答申が「緑のダム構想」で、これが民主党が今回のマニュフェストに二つのダムの中止を盛り込まれた」前提となっていると存じます。

・亀井さんには、民主党のお二人にはお話ししなかったことを話しました。「田中角栄氏の公共事業は"道路"と"ダム"だったが、亀井さんは"自然再生"を公共事業にしてほしい」と。すると亀井さんは「公共事業抜本見直し検討会」をつくられ、谷津義男氏を事務局とされ、「2000年末までに223の公共事業を止めてみせる」という大偉業をなされたのです。
そして、次の年末にできたのが、「自然再生推進法」でした。
 
 今民主党は「川辺川ダム」「八ッ場ダム」の中止をマニュフェストにされています。これは不要な公共事業の削減の大きなものです。
 しかし、景気はこのように底を打ち、やはり「必要な公共事業」で日本をまわすことは、重要なことではないでしょうか。
 「長良川河口堰撤去」「諫早水門撤去」「熊本県の前知事が計画していたのに現知事はやらないという"荒瀬ダム"撤去」来年2010年には「四万十川に唯一ある家地川堰の水利権更新」もあります。
 これらをみな、亀井さんがつくられていた「自然再生推進法」を改正して、公共事業として進めればどのくらい国民が喜び、建設業界も潤うでしょうか?
 「ダム撤去」を皆様の"新政権"がマニュフェストの一つにして下さることを、民主党、国民新党でお考えいただけないでしょうか?

 まもなく10月には、私が昨夏に養老孟司氏と設立した「日本に健全な森をつくり直す委員会」も、「森林政策」についての提言を取りまとめます。皆様の森林政策にお役立ていただきたいと念じ、作成中です。
 森林と川は一体と見て考えることを私は、1997年に亀井静香建設大臣が「河川法」を改正された折りに、菅直人氏に民主党より対抗法案を出していただき、「ヨーロッパの水系一体の治水」を雛型に提案しております。
 どうか皆様が、長良川河口堰のゲートが社会党大臣の手によって降ろされた1995年から、河川法改正の97年、2000年当時のことを思い返していただき、御一考いただけますよう、伏してお願い申し上げます。

なお、住宅および森林政策への提案は、私の友人で、「町の工務店ネット」の主宰者である小池一三氏の一文を同送させていただきます。

長良川河口堰建設に反対する会事務局長
公共事業チェックを求めるNGOの会事務局長
日本に健全な森をつくり直す委員会事務局
天野 礼子

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民主党マニュフェスト へのご提案
グリーン・ニューディールな住宅政策               

若者支援・家づくり推進制度(仮称)
――国産材を用いて、長期優良住宅を建設する

長期優良住宅推進法が、昨年秋に衆参両院共に全会一致で採択され、国交省から、本年2月26日にその建築基準が告知され、6月4日に施行された。
本提案は、高所得者層に傾斜する長期優良住宅を、国民各層に広く利用されるよう転換をはかるものであり、それにより、国民の住宅取得への意欲を高め、建築・林業の振興をはかり、よって日本版グリーン(環境にいい)・ニューディール(政策)の実現をはかるものである。

 日本の住宅政策は、公社・公団・公庫の三本柱で進められてきたが、現在、どれも構造転換の憂き目に遭っている。この「階層別対策」の頂点に位置づけられたのが「持ち家」であった。
都市で「戸建住宅」を新たに入手するのは困難を極めたが、郊外へと購入地を拡げることで実現をはかった人は少なくない。

しかし、建てられた住宅の平均寿命は30年に過ぎない。アメリカ55年、イギリス77年に比べて短く、スクラップ・アンド・ビルドを繰り返してきた。

それが日本社会の活力を生んできた一因ではあるが、40歳で「持ち家」を取得した人は70歳を迎えており、建替えられる条件を欠いている人が少なくない。
地震対策上、問題アリとされる住宅は、1981年の建築基準法以前の住宅とされる。それが全住宅の46%を占めており、建替え時期を迎えているが、住民の高齢化と相俟って困難視されている。このことは、都市部と周辺部で起こっているだけでなく、地方でも起こっていることである。

兵庫県南部地震による死者は6.433名を数えるが、この80%相当、約5000人は老朽家屋の下敷きによって亡くなっている。2000年の建築基準法改正に基づく耐震基準で建築されていれば、その死者は1/10で済んだとされる。因みに、この改正前の住宅は全住宅の94%を占めている。
地震列島の上に建てられる住宅は、大地震が起きる度に、その経験に学び、住宅を改造・更新することで被害を抑えてきた。

長期優良住宅による「耐震性能等級2」で建てると、震度7の地震の揺れで倒壊する被害発生率は7.9%とされる。2000年に改正された耐震基準では28%であった。

これから建てられる住宅は、十分な耐震基準を持ち、長寿命のものでなければならない。スクラップ・アンド・ビルドなあり方を転換させ、ストック社会の住宅を目指すものであるべきだ。

その意味で、長期優良住宅の重要性は言うを待たないが、それを政策として打ち出す以上、長期住宅ローンが必須条件である。住宅金融支援機構は、長期優良住宅の施行日に合わせて「フラット50」(50年ローン)を打ち出したが、すでに実施されている「フラット35s」(35年ローン)と比較すると800万円も余分に支払わなければならず、これでは利用者を見込めない。
50年ローンは、親子2代で払うローンである。「子孫に美田を残す」という日本人のあり方からすると、借金を子どもに残すのはどうかと思われる面もなくはないが、まともな家は、本来、そうして建てるものだということを社会化すれば、案外、受け入れられるのではなかろうか。

地球時代にあって、招来すべきはそうしたスローなあり方であり、負荷を一代で追うのではなく、多世代間に亙って負うことで、長く生き続ける建築を実現すべきである。

日本と同じ敗戦国であったドイツのアデナウアー首相は、戦後復興に際し「すべてを住宅建設に」というスローガンを掲げた。それは居住福祉を、社会政策とする考え方が根底にあったからである。そのとき、施策の一つとされたのが金利ゼロの100年ローンだった。ドイツ国民は、それに勇気を得て住宅建築に乗り出した。

高度経済成長期、日本国民は「がんばれば一軒の家が手に入るかも知れない」という夢を持つことができた。それが「中流社会」といわれる「階層」を生み出した。この「中流社会」が崩落し、「下流社会」に流れている昨今、その夢さえ失われているのが現状である。

今ほど国民が、将来に不安を感じている時代はないのかも知れない。雇用と収入、年金・医療・介護など、不安は増幅するばかりである。「中流社会」では、子どもを大学にやって、マイホームを手にすることが目標であり得たが、今の若い人は、そうした目標を持てなくなっている。

住宅は、家族の生活の拠点である。居住は福祉の基本である。そこが不安定な社会に幸福はない。住宅取得への夢を見失った社会は、社会そのもののエネルギーが失われて行く。殊に、若い層がそれを失うのが恐い。
閉塞した現況を打ち破るには、勇気を持って生活の根拠地となる家を建てることを、若い人に奨励することである。

2月26日の告知では、基準とされる建築面積は75平方メートル以上であれば可とした。これにより「小さな家」でも、長期優良住宅の仕様を守れば制度の適用を受けられる。
最初は「小さな家」でいい。空いた土地には木を植える。「安かろう悪かろう」ではなく、高品質で、エネルギー負荷が小さく、長寿命な家を建て、ムリなく、フラットに、2代かけて50年ローンで支払い、ゆっくり家を育てるのである。

むろん、この国には悩ましい土地問題が横たわっている。土地のある人はその土地に、ない人は週末住宅(クラインガルテン)を郊外に建てて「セルフ農業」に精を出し、月曜日には都市に働きに出る。老後は「終の棲家」になり、大地震が起こったら「疎開住宅」にすればいい。

 かのフランク・ロイド・ライトが、手ごろな価格で実現できるユーソニアン・ハウスを提唱した背景には、ルーズベルトによるニューデール政策があった。
 長期優良住宅の制度に、さらによき助成策が講じられるなら、それこそ日本版グリーン・ニューディールな政策となるのではなかろうか。
 構造材に、国産材を利用することを奨励すれば、グリーンな政策性を持ち、かつ景気を押し上げることは間違いない。

町の工務店ネット代表
小池 一三

町の工務店ネットとは
全国の地域工務店75社で構成されるネット(団体)。
国交省の長期優良住宅・先導的モデルの採択を受けている。
詳しくは、町の工務店ネットのwebサイト
「住まいネット新聞びお」 http://www.bionet.jp/

代表/小池一三 プロフィール
1946年 京都市生まれ。パッシブソーラーの普及を寄与。その功績により、「愛・地球博」で「地球を愛する世界の100人」に選ばれる。「近くの山の木で家をつくる運動」や「森里海連環学」を提唱し、実践塾塾頭を務める(塾長は天野礼子)。また、住宅雑誌『チルチンびと』や『住む』の創刊に携わり、編集人を務める。【現職】町の工務店ネット代表/住まいネット新聞「びお」編集長/(有)小池創作所代表/NPO法人緑の列島ネットワーク名誉理事【主な著書・編集】『仕事の創造』(共著/岩波書店)/『いい工務店との家づくり』(共著/雲母書房)/『ムリなく住めるエコ住宅』(共著/泰文館)/『近くの山の木で家をつくる運動宣言』(文・起草/農文協)/『木の家に住むことを勉強する本』(編集人/農文協)/『すっぴんの木の家』(共著/海象社)/『働く家』(発売 農文協)など

Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


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