森をつくり直す?
4月13日に、第三回「日本に健全な森をつくり直す委員会」(俗称「養老委員会」)を東京で開催しました。この委員会は昨年7月に、養老孟司氏を委員長に、私が事務局を担当し、12人で立ち上げたものです。
森を自分でつくっている作家、C.W.ニコルさんと立松和平さん、そしてここ数年の“林業改革”の二本柱ともいえる、日吉町森林組合参事の湯浅勲さん(NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演)や富士通総研主任研究員の梶山恵司さんも参加しています。
「森をつくり直す」とは、何故か?日本は第二次大戦後の復興時に大量の木を使い、その後に経済効率だけを考えて全国にスギ・ヒノキ・カラマツを大造林しました。これが使い頃なのに材価が低くて使えないという状態が長くあったのですが、私の近年の著作「“林業再生”最後の挑戦」(農文協)や「21世紀を森林(もり)の時代に」(北海道新聞社、養老孟司らと共著)にも書きましたように、①森林所有者を取りまとめる②高密度に作業道を入れる③仕事を効率よくする、などの改革が近年急ピッチで進んだことにより、使えるようになってきたのです。
しかし、このように「急ピッチ」で物を進める時は、どこかに「落とし穴」ができてしまうものです。
そこで私たちは「健全な森をつくり直す」をキーワードに集合して、会議を進めているのです。
企業や銀行が、「カーボンオフセット」や「CSR」のキーワードの元に全国で、自治体から働き掛けられて森を借りようとしています。自治体は、植林や間伐作業を地元の森林組合に下請けに出しています。
わが国の政府は、「京都議定書」に約束した二酸化炭素「マイナス6%」のうち「3.8%」を森林の間伐で賄おうとしており、その“公共事業”も森林組合に出されています。
しかし、両者の森の事業の多くは、「伐り捨て間伐」といって、間伐はするものの、伐った材のほとんどは森に捨てているという有り様です。「それを拾ってくる手間賃が出ない」というのが、そういう仕事をさせている自治体、している森林組合の言い分です。
「それがあかんのや。そんな公共事業が出んようにしないかん」。湯浅さんは、何故こう怒るのか?
今の日本に必要なものは、「林業」そのものの再生です。人工林を伐って、それが売れて、林業という業(なりわい)が回転してゆくように戻すことが急務なのに、安易な形で「ただ伐り捨てるだけの公共事業」が大量に出ると、森林組合はまた努力することを放置してしまうというわけです。私も、各地の事例を見て歩いてそう思います。
「森をつくり直す」というのは、この国にはまともな“森林計画”がなかったこと、ないことが明白になったからです。
しかしながら、私自身もこの二年間「林政審議会」の委員を務めてわかったことは、「森をつくり直す」には、大きなショック、例えば「政権交代」などというような、中央の官僚の皆さんの頭が今とは違う方向へ少しは向くようなことをしなければ無理ということでした。
5月23日・24日には、島根県、高津川流域で第四回会合を開催し、今年中には委員会の提言をまとめる方向です。委員ら(という私)が忙しすぎ、まだHPは立ち上げられていません。







コメント (1)
こんにちは
天野様のお名前を久しぶりに拝見をいたしました。
天野様が、京都の芦生に何度か通われていたころ、釣りサンの小西和人氏と非常に親交があったかたと自分もよく美山には出かけていました。
この度、小西氏が亡くなられたのは非常に残念でなりません。
次の記事を楽しみにしております。
投稿者: 呑ん兵衛 | 2009年4月28日 22:38