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2009年4月28日

森をつくり直す?

4月13日に、第三回「日本に健全な森をつくり直す委員会」(俗称「養老委員会」)を東京で開催しました。この委員会は昨年7月に、養老孟司氏を委員長に、私が事務局を担当し、12人で立ち上げたものです。

森を自分でつくっている作家、C.W.ニコルさんと立松和平さん、そしてここ数年の“林業改革”の二本柱ともいえる、日吉町森林組合参事の湯浅勲さん(NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演)や富士通総研主任研究員の梶山恵司さんも参加しています。

「森をつくり直す」とは、何故か?日本は第二次大戦後の復興時に大量の木を使い、その後に経済効率だけを考えて全国にスギ・ヒノキ・カラマツを大造林しました。これが使い頃なのに材価が低くて使えないという状態が長くあったのですが、私の近年の著作「“林業再生”最後の挑戦」(農文協)や「21世紀を森林(もり)の時代に」(北海道新聞社、養老孟司らと共著)にも書きましたように、①森林所有者を取りまとめる②高密度に作業道を入れる③仕事を効率よくする、などの改革が近年急ピッチで進んだことにより、使えるようになってきたのです。

しかし、このように「急ピッチ」で物を進める時は、どこかに「落とし穴」ができてしまうものです。

そこで私たちは「健全な森をつくり直す」をキーワードに集合して、会議を進めているのです。

企業や銀行が、「カーボンオフセット」や「CSR」のキーワードの元に全国で、自治体から働き掛けられて森を借りようとしています。自治体は、植林や間伐作業を地元の森林組合に下請けに出しています。

わが国の政府は、「京都議定書」に約束した二酸化炭素「マイナス6%」のうち「3.8%」を森林の間伐で賄おうとしており、その“公共事業”も森林組合に出されています。

しかし、両者の森の事業の多くは、「伐り捨て間伐」といって、間伐はするものの、伐った材のほとんどは森に捨てているという有り様です。「それを拾ってくる手間賃が出ない」というのが、そういう仕事をさせている自治体、している森林組合の言い分です。

「それがあかんのや。そんな公共事業が出んようにしないかん」。湯浅さんは、何故こう怒るのか?

今の日本に必要なものは、「林業」そのものの再生です。人工林を伐って、それが売れて、林業という業(なりわい)が回転してゆくように戻すことが急務なのに、安易な形で「ただ伐り捨てるだけの公共事業」が大量に出ると、森林組合はまた努力することを放置してしまうというわけです。私も、各地の事例を見て歩いてそう思います。

「森をつくり直す」というのは、この国にはまともな“森林計画”がなかったこと、ないことが明白になったからです。

しかしながら、私自身もこの二年間「林政審議会」の委員を務めてわかったことは、「森をつくり直す」には、大きなショック、例えば「政権交代」などというような、中央の官僚の皆さんの頭が今とは違う方向へ少しは向くようなことをしなければ無理ということでした。

5月23日・24日には、島根県、高津川流域で第四回会合を開催し、今年中には委員会の提言をまとめる方向です。委員ら(という私)が忙しすぎ、まだHPは立ち上げられていません。

2009年4月 1日

ダムが止まり、道路が止まる。4.25「無駄な公共事業見直しを実現する全国大会」へ。

3月31日の夕刊から4月1日の朝刊各紙では、国土交通省が全国で18路線の国道工事を凍結したことと、同じ国交省の河川局事業では、淀川水系大戸(だいど)川ダム計画が凍結されたことが発表されました。

「“動き出したら止まらない”という従来の道路建設の常識を覆した」と朝日は書きます。一方、同じ新聞紙上では、アメリカでオバマがクライスラーに、「30日以内にフィアットと提携合意しなければ追加支援には応じない」と最後通告をつきつけています。

日本はまだ、甘すぎるのではないでしょうか。これも同じ日の紙面では、国交省が各地の出先機関庁舎44カ所の新築・改築費用を、自治体には相談なく直轄事業負担金の中に含ませていたことも明らかになっています。

公共事業には、「ズブズブ」の部分があり、それが小沢の西松問題に見られるような政治資金となっているのは、もはやほとんどの国民の知るところとなっていますが・・・。

それでも、今道路を作ることで苦境にある建設会社を救うのだという首長たち。それが首長らの政治資金や選挙時の票となっているからでしょう。しかし、結局は自分たちに遠からずツケがまわってくるのだと、そろそろ地方自治体も住民も考えるべきではないでしょうか。

大戸川ダムでは、「凍結」と言われていますが、「本体工事は」と、わざわざ書かれていたりします。本体工事以外は進めることができるというわけです。また、知事が変わったら反古にされてしまうことは、長野の例を見てもわかります。

4月25日には、わが国の市民も、「無駄な公共事業見直しを実現する全国大会」なるものを開催します。さあここへ、どれだけの党首が駆けつけるでしょうか?

4月25日(土)14時~16時
日本教育会館に、あなたも出掛けてみませんか。千代田区一ツ橋2-6-2

Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


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