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2007年6月18日

“439”街道と有機レストラン

高知県と徳島県の県境に近い、高知県大豊町から四万十川へ向けて続く「R439」は、人呼んで「与作(よさく)街道」。北島三郎が歌っているでしょう、「与作は木を伐る~」と。木の多い地方なのです。

この街道の、本山町、土佐町、大川村、いの町、仁淀川町の住民や行政の皆さんと、おもしろいことを始めました。

「“439”有機協議会」
本山町に住む山下一穂というプロ農家が、「超かんたん、無農薬有機農業」という本を書いていて、高野孟さんや私は、彼が塾長をつとめる「有機のがっこう・土佐自然塾」の応援団です。

このたび6月21日には、この人のつくる有機野菜を、山形の「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ・奥田政行さんがやってきて調理するという、たった2時間だけ、たった20人のためにひらくレストランを開店します。

「山形のアルケ」といえば、昨年は毎日放送の「情熱大陸」で特集された、日本のイタリア料理界だけでなく、ヨーロッパでもその腕を買われている“時代の寵児”ですが、自分自身も有機の野菜をつくったりしている人です。

この人を山形から連れてくるのは、この人と山下一穂の出逢いのレストランを“アドバルーン”にして、世に広めたいことが私にはあるからです。

それは、「有機野菜を食べる」「有機野菜をつくる」人を増やして、人も、大地も、健康にしてゆくこと。

「川」そして、「森」、の次は、「大地」を再生したいというわけです。

一席2万円の、たった2時間だけひらくこのレストラン「コンモベンテ、アツボーイ」は大豊インターから1時間半、高知市内からも2時間かかる、700mの山上にあり、辺鄙なことこの上ないのですが、すでに満席の予約。

私たちはそれだけでなく、山下一穂を講師にして、本山町、いの町、仁淀川町の3カ所に「モデル圃場」を準備して、畑づくりを始めました。60人の生徒の半分は老・中年の農家の夫人。

「他人にも(これまでは自分の食べるものだけは無農薬だったが)、安全な農作物をつくってあげると高い価格が付くとわかった」という彼女らの入門の動機は、私はとても正直で好きで、これが広まると、最後まで元気で働いてポックリ往く人が増えて、日本の老人医療費が下がるかもしれません(笑)。

いえ、私は、今度も本気です。左脳に「脳動静脈奇形」という病を抱えているので、いつどこで倒れても、「少しは違う日本にして死ねたかな」と思って彼岸へゆきたいと考えて、毎日生きています。

「“439”協議会」、応援ください。大豊インターのあたりを通りがかったら、モデル圃場を見学していってください。近くには「有機のがっこう・土佐自然塾」もあります。

2007年6月 5日

林業“三題”

林野庁近畿中国森林管理局を民間が借りて行う勉強会と、民主党の「森林・林業再生プロジェクトチーム」が真庭市で行うシンポジウムの案内に加えて、最近の緑資源機構問題を考える。

6月6日(水)PM1:00~5:00
勉強会「“日本林業再生”へ動くために」

6月9日(土)PM5:30~7:30
シンポジウム「“林業再生”への提言―21世紀は緑のエネルギーで生きよう」

「緑資源機構」問題について

    ****************************

6月6日(木)PM1:00~5:00

来たれ!志(こころざし)あるサムライよ。
勉強会「“日本林業再生”へ動くために」

 呼びかけ人・主催 大橋慶三郎(林内作業道づくり57年)
          湯浅勲(京都府日町森林組合参事)
          天野礼子(アウトドアライター)

 場所 林野庁近畿中国森林管理局・ホール(大阪市北区天満1-8-75)

 基調講演Ⅰ 「ドイツ林業を視察して、日本林業への提案」梶山恵司(富士通総研)
 基調講演Ⅱ 「今持つべき“森”の思想」竹内典之(京大名誉教授)

 パネルディスカッション「“日本林業再生”へ動くために」
  「森林組合改革」「作業道」「とりまとめ」「教育」のテーマで、
  湯浅・天野・岡橋清元・小原文吾がディスカッション


6月9日(土)PM5:30~7:30

シンポジウム「“林業再生”への提言―21世紀は緑のエネルギーで生きよう」

 主催 民主党「農林漁業再生運動本部」

 場所 岡山県真庭市「エスパス」(真庭市鍋屋17-1)
 
 基調講演 竹内典之(京都大学名誉教授・人工林研究)

 基調報告 「木質バイオマスエネルギーを導入して」 銘建工業 中島浩一郎社長

 発表 「森林・林業再生プラン」菅直人

 パネルディスカッション
  進行 天野礼子
  パネラー 上記3名と篠原孝衆議院議員

 この日に真庭市の集成材トップメーカー銘建工業に入ってくる日本最新の効率化・小型化バイオマスガス化施設を、民主党の農林漁業再生本部の「森林・林業再生プロジェクトチーム」の菅直人らが視察すると共に、このチームがこのたび作成した「森林・林業再生プラン」をシンポジウム上で発表する。


「緑資源機構」問題について

 「緑資源機構」の前名は「森林開発公団」でした。その仕事であった大規模林道は、大規模に貴重な自然林を切りひらいてゆく事業であったために1980年代に大きく国民の批判を受けました。それゆえ、名前だけを変えて「公団はなくなり、大規模林道事業は終了した」と多くの国民を欺いていたのは、松岡氏らを「飼わなければならない」“政治の図式”があったからと、これで明らかになりましたね。

 日本の、官僚の天下りシステム、地方自治体の役人にもある同様のシステムは、両方ともちょっとやそっとではゆるがない日本の“悪しき慣習”です。それに“政治”がからみ、「談合」となるのが政・官・財そして昨今は警察までが入っていた、とわかった“癒着腐敗”の図式です。

 どうすればそれを壊すことができるかを真剣に考える国民を育てる仕組みをどうつくるかを、日本国民は今こそ真剣に考え始めるべきです。

 一方、森林と林業の再生は危急の課題であり、私は安易に「だから林野庁を解体せよ」とは言いません。ですから前出の二つのシンポをどちらも行うのです。

 林野庁は、小泉サンが平成22年には「独立行政法人」にするという方針を去年の6月に決めてしまっています。
 これまでは林野庁が国有林と統一して考えていた民有林行政も一般会計でせよというのは、ブッシュの「ポチ」といわれた小泉サンが進めた「なんでも民営化」の一つでした。

 しかし、戦後に植えた人工林が使い頃になっていても間伐が進まず真っ暗な日本の森は、今こそしっかりと「日本の森をどうするのか」という統一した視点で考えることのできる人間たちによって見直しがされるべきでしょう。今はその人間をつくる時です。

 一部にある林野庁解体論は、「天然林で林野庁の不法伐採がやまないこと」を怒り、林野行政を環境省に任せよと言うのですが、それは安易すぎると私は思うのです。
 仮に、林野庁を解体して、環境省へ森林行政を任せた時、森林の現場を司る人物たちは誰か、つぶされた林野庁から環境省にまわされて、「予算」も「権限」も奪われてしまった職員なのです。こんな人達に「統一した視野」が持てるはずがありません。
 
この国は、本当に真剣に、
森林・林野行政を今こそ、見直すべき時なのです。

私は、そのことのために動きたいと思っています。

Profile

天野礼子(あまの・れいこ)

-----<経歴>-----

アウトドアライター。
1953年、京都市生れ。
中、高、大学を同志社で過ごす。
19才より釣りを始め、文化人類学者の今西錦司博士の主宰された「ノータリンクラブ」に属して、国内外の川、湖、海辺を釣り歩く。
26才より小説家、開高健に師事。
1988年には師と共に長良川河口の堰建設反対に立ち上がり、「ダムは不用」の国民世論に育て上げる。
近年は「川を再生するには森を生きかえらせることが必要」と“森仕事”へ視野を広げて、日本の森から材が出る社会システムを作り直すことを各地で提案している。
京都大学が2003年に構築した「森里海連環学」の普及もお手伝いするため、高知新聞社と山陰中央新報社でカルチャー教室「自然に学ぶ“森里海連環学”」を続けている。
2001年より、高知県・仁淀川の源流にも家を借り、有機農業普及のための「高知439国道有機協議会」を07年に立ち上げて、事務局長を務めている。08年7月に養老孟司氏らと「日本に健全な森をつくり直す委員会」を設立した。

BookMarks

オフィシャル・ウェブサイト
http://www.uranus.dti.ne
.jp/~amago/


長良川河口堰建設をやめさせる市民会議
http://nagara.ktroad.ne.jp/

公共事業チェックを求めるNGOの会
http://kjc.ktroad.ne.jp/

日米ダム撤去委員会
http://damremoval.com/

市民版憲法調査会
http://www.kenpou.com/

-----<著書>-----


『“林業再生”最後の挑戦』
2006年11月、農山漁村文化協会


『だめダムが水害をつくる!?』
2005年10月、講談社+α新書


『「緑の時代」をつくる』
2005年5月、旬報社


『ダム撤去への道』
2004年5月、東京書籍


『日本の名河川を歩く』
2003年7月、講談社+α新書


『市民事業』
2003年4月、中公新書ラクレ


『ダムと日本』
2001年2月、岩波新書


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