日テレ「モクスペ」驚きのパネラー
テレビ局がスピリチュアル系の放映の自粛をしている昨今、日本テレビの木曜スペシャル、略して「モクスペ」という番組で、「予言」をテーマにした番組が9月18日に放送された。話題のジュセリーノにはじまって、ダヴィンチ、ニュートン、聖徳太子など7つの予言を紹介。
専門家として早稲田大学の大槻義彦氏、多摩出版の韮澤一郎氏、スタンフォード研究所の科学者であるという千葉正毅氏を並べ、オカルト肯定派と否定派が同じ側の席に座っていた。大体この手の番組は通常、賛成派と否定派に別れて議論する構成が多いので大槻教授と韮澤氏が隣にいるのは、これまであまりみたことはなかった。
対してパネラーはタレントが席を占める。伊集院光氏、次長課長、大沢あかね氏、柳原加奈子氏、木下優樹奈氏、そしてスピリチュアルに造詣の深い須藤元気氏。これだったら、特定のオカルトタレントやスピリチュアルタレントを推してるようにはみえないから、ということだろう。
番組の内容は大体の予言が2030年から60年ぐらいに人間の終末を予言し、環境破壊にふれているのだが、ここでおもしろかったのは、予言を完全否定しているのは、大槻教授だけ。予言を信じざる状況は、今の気候から想像できるという人が大半だった。
木下優樹奈氏にいたっては、高校の時に宇宙人につれていかれて環境問題の広告塔になれと言われたとか。それでタレントになってテレビで、そのことを伝えられているらしい。須藤元気氏がスピリチュアルに詳しいと雑誌などで知ってはいたが、韮澤さんを代弁するほどで、自身もあるセッションに出席して、宇宙人と話したのだそうだ。
宇宙人を話題に出すとはオカルトタレント顔負けのおもしろさだけど、オカルトタレントのように真面目に極端な話がないから、今ひとつ全体的には説得力と迫力がない。議論にもならないし、面白いこと言うね、ぐらいの話題になって、大槻教授も突っ込みがいがないのか、びっくりしすぎたのかおとなしかった。
大槻教授は今年の4月に発売された「江原スピリチュアルの大嘘を暴く」(鉄人社)という著書の中で、江原啓之氏を徹底的に叩いている。いくら有名とはいえ、ここまで書かれるのは、江原さんに同情してしまうほどだ。江原さんは宇宙人と交信するような超オカルトではない。英国で学んだ知識を元に、真面目にスピリチュアルを研究し、霊界のあり方を知ることで、人の生き方がかわることを目的にしている。国民現象になっているので、問題があるとして暴こうとしているのでしょうが、大槻教授が問題にするべきことは、江原さんの哲学じゃなくて、いわゆるとんでもない発想のオカルトを否定することだったのでは?
そういう意味では、木下優樹奈さんの話題の方がよっぽど突っ込みがいがあるはず。堂々と語る彼女に対して、いつもの否定攻撃はみられなかったし、天然の勢いに負けていて、それ自体はとってもおもしろかった。彼女のように若い世代は、漫画の中に霊や神がでてくるのは当たり前。宇宙人と逢ってもおかしいとは思っていないのかもしれない。
しかし、真面目に見えるタイプの須藤元気さんに至っては、確かに笑いじゃすまされないように思った。セッションで宇宙人と対話したそうだが、そもそもセッションに参加しないと宇宙人と話せないのか、異なる次元のことをいっているのではなくて、本当に逢えるのか、などの誤解を生みかねないように思った。
宇宙人は宇宙のどこかにたしかに存在するでしょうが、ここでいう宇宙人とは、どう考えてもオカルト対象をさしている。オカルトタレントではない一般タレントのほうが信憑性があると受け取られかねないのではないでしょうか。
スピリチュアルの大事なことがはっきりとせず、違うものもどんどん一緒になって広がっているので、みわけのつかない人たちを相手に悪徳霊感商法など社会に問題がおきている。専門のタレントを使わないで、無難におさめようとした「モクスペ」だが、まちがったスピリチュアルの悪影響の要因を、奇異なオカルトタレントなんかよりずっと、人気タレントが示してくれたし、江原さんがどうとかのレベルではない全然違うところにあることを、示してくれたようにも思った。
また、スピリチュアルな意識の底辺が、すでに一部には常識として浸透しはじめているので、このような新しい現象が生じているわけで、急速に広がっている心のあり方の変化を認めざるをえないところにきているのかもしれない。
※スピリチュアリストの肩書きで仕事をしている私が、この話題に触れるのは勇気がいります。しかし、つかみどころのない新しい世界の業界だからこそ、メディアの例をとり、考えていきたいと思っています。


